女神の能力
これからは応援してくださる皆様のために、フルパワーのエトニアを書いていきたいと思います。
過去の話を修正していっております。
第一話を修正しました。好きなときにお読みください。
イオの魔法でなんとかクラスメイト達から逃げるのに成功した。
僕が囲まれていると、イオは近くまで寄ってきた。呪文を詠唱しているらしい。
何かを唱え始めた時はイオから魔力が出てきたのを感じた。
「大地を吹き、駆け抜ける疾風よ、我らに駆ける力を与えよ!」
イオが詠唱を終えた直後、風が僕らを包み込んだ。同級生達は後ずさりする。風は妖精になった僕の青く長い髪をなびかせる。
風が吹いていたのは2、3秒くらいで、それを過ぎると弱まって消えた。
「走ってみて。」
イオに言われるまま、逃げるため、試しに食堂の出口に向かって走る。
妖精の僕の速さでは10秒近くかかるはずが、5秒もかからずに着いた。
スー、と魔法でドアが開く。
その意味に気付いた同級生たち。すぐに走ってくるが、時すでに遅し。彼等がドアの前に立った時には、影も形も見えない。
「「「「「姫~!!」」」」」「「「「「「お姉ちゃーん!!」」」」」」
そして彼等はそろって肩を落とすのだった。
「ハア、ハア、走りすぎ...だね...」
この体になってから、体力が落ちている。
もとの体には戻れないことはわかっていたリアだが、
(せめてディアナ達が男の神様だったらな...)
と、心の中で呟いていた。
「大丈夫なの?リア?」
心配そうな顔をしているイオ。
「うん、もう大丈夫。それより、図書室に行きたいんだけど...どこ、かな?」
「図書室?こっちだよ。」
イオの後についてきたリア。
図書室はあまり広そうではなかったが、棚が非常にたくさんあり、大量の本があることがリアにも一目でわかった。
「イオ。ディアナ達について詳しく知りたいんだけど。」
ここで能力をしらべておけば、ジーク達からも身を守れるだろう。あのクラスメイト達からも同様だ。
「りょ~かい。」
イオはヒラヒラと翔んでいった。
ふぅ、とリアは椅子に座ろうとした。しかし、イオが「はい、どうぞ~」といって大きなものを運んできた。
「早!?早すぎるよイオ!」
「魔法があるからね。はい。」
渡された本は本にしてはとても重かった。タイトルにはセルール歴史書~三人の女神~とあった。
内容はディアナ、フィーラ、パルの3神のセルールの保護、3神の功績等が載っていた。リアの目的である3神の能力は、後半に少し記載されていただけだった。
女神ディアナ
創造と破壊を司る神。
我ら妖精を造り出した偉大な女神である。
破壊の力で邪神を何度も退けた。
女神フィーラ
時と空間を支配する女神。
その力でエトニア世界を創った。
時も支配している。
女神パル
自然を司る女神。
光や闇等も支配している。
心優しき女神。
パタン。いい音を出して本は閉ざされた
「マズイよ...これはマズイよ...」
「だよねぇ...」
もしこの事が欲深い生き物(特に人間)にしられたら、大変な事になる。
「人間が知ったら、リアは多くの人間から追われる。それにもしリアが捕まれば、世界はジーク達とは闘えない。そうなれば世界は滅ぶ。」
そこで普通の口調になってイオは続ける。
「でもそれはリアが捕まって人間の願いを叶えた時だけ。リアなら捕まらないと思うから。」
イオはさらに続ける。
「じゃあ試してみようよ。この本をカウンターの机に移動できる?」
できるだろうか?
「特訓だね?やってみるよ。」
まずは意識を集中する。そして心の中で意識する。
「あ、消えた!」
驚くイオの声。
もうすでに机の上に本は無い。
カウンターをみると、カウンターのテーブル上にはいつの間にかあの本が置かれている。
もう一度意識すると、スッと本は消えていった。代わりに目の前の机の上に現れる。
「凄いよ、この力...」
使ったことは一度もないはずが、今までに何度も使っていたかのように使える。ここまで力を使えるならば、既に魂は融合しきっているのだろう。しかしなぜか恐怖は感じない。これも魂の融合によるものなのだろうか?
「リア、みんなが来たよ。どうする?」
そういわれて見回すと、二つあるドアの両方から同級生達がこちらに近づいてきた。
「「「「「姫様!!」」」」」
幸せそうな顔をしながら走ってくる男子。
「「「「「「お姉ちゃん!!」」」」」」叫びながら翔んでくる女子。
そして文字通り一斉にとびかかってくる女子。
「リア、よろしく!」
ヒュッ。二人の姿が消える。
当然捕まるものが無いため、女子たちは辺りの椅子・机を倒す。
今どっかから小さな轟音が聴こえてきたような...「キャア!」とかも聴こえてきたし。
「大変だよねぇ、リアは。」
溜め息をついていたイオ。
「何でこうなるんだろうね、僕は。」
(何故、僕が?)
「また追いかけられる前に帰ろうか。リアの他の力も見たいし♪」
イオは神の力に興味津々っぽい。そりゃ誰でもこの力に興味を持つだろう。
僕も他に何が出来るのか知りたいし、知っておけば便利だし。
それに賛成しない理由はない。ここにいればまた見つかるだろう。
「うん。」
スッ。視界が一瞬で変わる。
そこはイオの部屋の中。
とてもきれいで、埃ひとつ落ちていないから、イオは掃除好きだと今更気づく。
「じゃあ、調べようか。」
笑顔のイオの両手には、いつとったのかあの重い本があった。
冒険させたいですが、設定が大変...
もう少しやりたい事もあるので、冒険はもう少しかかります...
旅&戦闘は必ずやります。それにはリアの魔法を強化しないといけないので。
旅に入れば、今までと変わります。
悲しいキャラクターたちの過去と組み合わせていこうと考えております。
今とはだいぶ変わって、今ののんびりした感じはほぼ無くなります。
そちらが鳶のやりたかった、悲しい部分のある戦闘ファンタジーですので御注意を。