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エトニア1  作者:
6/17

初登校(リア・パニック)

PV2000突破しました。ありがとうございます!



リアのすごさは魔法だけではありません。リアが教室に入ると...

「リア、準備は?」

「僕はOK。イオは?」

「私も。行こっか。」

「なんか緊張するな...」

今、イオの自宅で僕は緊張していた。まだ家の中だというのに。

「大丈夫。すぐに慣れるから。誰でも最初はそうだから。」

「うん。」

「じゃ、行こう。」

イオはドアに近づく。ガチャ。

妖精の国は生活の中にも、一部魔法具が使用されている。

今のドアだってそうだ。主が近づくだけで開く。

外に出ると、何人かの生徒が魔法学校に登校している最中だった。

ちなみにこの国には魔法学校以外は無いという。ここ以外の街だと、ある程度の大きさの町に一校はあるらしい。

そんな事をおもいながら登校中の生徒の顔を見ていた。するとこちら気付いたらしく、こちらを向く。するとその生徒は顔を完熟トマトの様に真っ赤にして、鼻血を僅かにだしながら飛んでいった。

(また?何でだろう?)

この国に来てからずっとこんな感じだった。

イオは「まあそうだよね。」

飛んでいった生徒の後ろ姿を見送りながら呟いている。

イオはそんなにこの町で人気があるのだろうか?確かにかわいいけど、鼻血までだすのかな?と考えていた時、

ピュー、ピュー、ピュー

と鳥の声らしきものがきこえてきた。

「大変!あと15分しかないよ!」

チャイムの役割をしているらしい。

羽を使って空中に浮かぶイオ。それを見て僕も浮かぶ。

「このあとは少し忙しいから、羽をつかうよ!」

先に学校に向かっていくイオ。そしてそれを追いかける。

学校に着いたのは5分後だった。

すぐに職員室に向かう。

「失礼します。ミール先生はいますか?」

「おはよう、イオ君。ミール先生だね?待っていたまえ。」

職員室の奥に消えていった先生。すぐにミール先生らしき妖精が歩いてくる。

「おはようイオ。この娘の話は校長先生からきいてるわ。」

こっちを向いて

「はじめまして、私はミール。」

声がとても優しい。

「リアといいます!よろしくお願いします!」

フフッと微笑む先生。

「かわいいじゃない。あなたの何処にそこまでの力があるのか不思議ね。」

ピュー、ピュー、ピュー。再びあの音が聴こえてきた。

「あ!」

「大丈夫よ。まだ間に合うわ。急ぎなさい。」

「は、はい!」

すぐにイオは翔んでいった。

「先生、私は...」

「あなたはこのあとみんなに紹介するわ。いきましょう。」

教室の前に着く少し前に、あの鳥の声が聴こえた。

「すぐに呼ぶから、ちょっと待っててね。」

そういうと先生は騒がしい教室の中に入って行った。

耳をすませると声が聞こえてきた。

「おはよう、みんな。」

この先生は生徒からも好かれているようで、

「「「「「おはようございます、先生!」」」」」

とも聴こえてきた。

「今日はみんなに連絡がひとつあります。リアさん、入ってきて。」

勇気を出してドアの前にたつ。ひとりでにドアが開く。入ると教室が一気に静まりかえった。

「さ、挨拶を。」

小声で先生が教えてくれる。

「リアといいます!よ、よろしくお願いします!」

しーん...静かなままだ...と思ったら、「「「「「「「「わーーーーーー」」」」」」」」

急に騒ぎ出すクラスメイト達。しかし実際に騒いでいたのは女子で、男子の多くはあの登校中の生徒以上に顔をあかくして、蛇口のように鼻から血を流しながら気を失っている。残りは騒ぐか真っ赤になって動かないでいる。

先生と僕はすぐに倒れた生徒のところに向かった。

「大丈夫ですか?」

僕が心配して声をかけると、ピーーーとさらに鼻血を流す。

「多分リアは声をかけないほうがいいと思う...」

イオが近づいていて言ってきた。

意味がよくわからなかったが、イオが言うのでそうすることにした。

結局授業どころではなくなり、先生が治療魔法を使うところを見学することになった。トホホ...

休み時間なる前には先生の治療も終わり、倒れていた生徒は医療室に運ばれて行った。大丈夫かな?

することもなかったから、イオと話でもしようとすると、周りを残りのクラスメイトが囲った。

「姫、私がお守りします!」

「姫!どちらに?」

「お姉ちゃん!抱きしめさせて!」「ずるいぞ!姫に手を出すな!」「女の子同士良いじゃない。それとも抱きしめたかったの~?」

「学校終わったら買い物にいこうよ、お姉ちゃん!」

「姫。私と一生のパートナーになりませ...」「そうはさせない!!」

「お姉ちゃん、今日は私の家で一緒にご飯たべよ!」

「姫、参りましょうか。」「させるかぁ!姫は守る!」

「私がこの学校を姫のために案内致します。」

「でしたら私はこの町をご案内致します。美味しいケーキを売っている喫茶店もしっております。二人で行きましょう。」「貴様!抜け駆けは許さんぞ!」「姫をお前のものには絶対にさせん!」

「私が姫を一生命に変えてもお守りします!させてください!」「てめぇも一緒に始末してやる!」

「ねえ、リア。今のうちに離れよ。」

ここに居ては騒ぎが拡大するだけだ。

「うん。」

屋上に僕とイオは向かった。

「なんであんなに騒いでるのか分かる?イオ?何かしたかな、僕?」

「さ、さあね...でもこれじゃ2時間目もなくなりそうだね。」

「早く授業を受けたいのになぁ。」

ピュー、ピュー、ピューまたこの泣き声。

「仕方ない、戻ろっか?イオ。」

「うん。」

スーー。ドアが開く。

「「「「「「姫!!」」」」」」

「「「「「「「お姉ちゃん!!」」」」」」」

再び囲まれる。イオは僅か3秒で円の外に追い出される。

「姫!ご無事でしたか!」

校内にいたのだから危険は全くない。

「お姉ちゃん!もう私の側からはなれないでね!」

その言葉に反応して女子全員が抱きついてくる。

「苦しい...」

その言葉を男子は聞き逃さなかった。

「でしたら、姫!この手に掴まってください!お助けします!」

他の男子が睨む。

「姫!私の手に!」

「こちらです、姫!」

「もう逃がさないから!お姉ちゃん!」

「リア!掴まって~!」

「イオ!」

イオの手に掴まりながら少しずつ囲みの外にでる。騒ぎのおかげで気づいたのはごく一部らしかった。

「ありがと、イオ。」

「よかった、リアが無事で。でもこのままじゃ授業はまた無理みたいだね。校長先生の所に行ってもいいけど?」

このままここにいればどうなるかはわかっていたから、

「いそごう!脱出するよ!」

コソコソとドアから出ていった。



後にリア・パニックと呼ばれるこの騒ぎのせいで2時間目の授業もつぶれることとなった。

医療室に運ばれた生徒はその日一日復活する事はなかった。その中には女子も混ざっていたとか...

すごいですね、リアのクラス。

大暴れしてましたね。

一度こういうの書いてみたかったんですよね。

次回はいよいよ魔法の特訓開始です。


ちなみに魔法のドアはガチャッていうのとスゥーと開く2つの種類があります。

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