セルール国妖精魔法学校[1]
今回は仲間が登場するので、実際に入学するのは5`話です。3話では入学するまでの細かい設定を書きます。
セナはベッドに座っていた。外の天気は晴天。外ではあの白い木々が風に揺さぶられている。窓から光がさしこんできているが、その顔はとても悲しげだ。
すると急に扉が開いた。
「あ、起きてたんだ。」
この声はあの猫耳少女だ。そちらを向くと、やはり猫耳少女が立っていた。
「今から昼食だから、一緒に食べない?あなたの事をみんな知りたがっているよ?」
セナは自分の事を猫耳少女以外に話していいのか迷ったが、お腹が空いていたので、一緒に話すことにした。
「ありがとうございます。」
歩こうとした瞬間、少女が
「ほら、乗って。」
といい、セナを肩の上に乗せた。
外に出ると、そこはとても綺麗な草原だった。青々とした雑草は風に揺られ、白い木々からは鳥が飛びたつ。
辺りに鳥以外生き物の気配は全くなく、とても静かだった。
近くには清んだ小さな川があり、そのちかくで薪を燃やして何かを作っていた。
その辺りからはとてもいい香りがしている。少しスパイシーな感じだ。
「イオ、ありがと。後は私がやるから。」
「あれ?リーシャ、その娘は?」
猫耳少女の名前はリーシャというらしい。
「この娘?この娘の事は後でね。」
料理を作っていたのは、今のセナと同じ妖精だった。
その妖精は栗色の髪を首まで伸ばしていた。
顔だちは鼻や口は小さく、輪郭はシャープだ。
「それとリーシャ、あと少しで完成だから。」
「ありがと、イオ。じゃあみんなを起こしてきてくれる?もうご飯だよ~、て。」
「うん、わかった。」
そう言い残し、イオという妖精はさっきの家に飛んでいった。
(すごい。本当に飛んでたよ...)
「それじゃちょっと待っててね。もう完成だから。」
そういってリーシャは各自の皿に盛り付けていく。
少しして、家からさっきの妖精が飛んで戻ってきた。
「すぐにくるだって~。」
「わかった。じゃあもうこっちも終わったから、待ってようか。」
そういって近くの木製テーブルに料理が入った皿を置いていく。30秒ほどすると、家からあの時見た虎とトンガリ耳の少年が歩いてきた。
「さすがリーシャだな。今日も美味しそうだ。」
トンガリ耳の少年はそういって木製のイスに座る。
「うむ。相変わらずの腕前だな。」
なぜか喋る虎。
「ええー!喋った!虎が喋ったぁ!」
「大丈夫だよ。エルは無害だから。」
「安心していい。私はソナタを食べたりはしない。」
ならいいけど...いきなり喋られたから驚いた。
「その通りだ。さ、早くたべよう。」
そしてすぐに食事が始まった。
メニューはパンとサパというピリッとするサラダとラックという野菜がたっぷりのスープだった。
「ねえ、リーシャそろそろこの娘の話をきいてもいいかな?」
「セナ、お願いできる?」
「・・・それで僕はエトニアに残りました。」
「そうか、じゃあ君は他の世界から来たのか...」
以外とみんなは驚かない。
ちなみに耳トンガリ少年のこちらを見ている顔は赤くなっていた。
「そんな夢をみたの?だったらこれはまずいわ...」
「どうしてです?」
「1つめはそんな神がいるってこと。2つめはあなたの力。あの強力な3神の力をもつあなたは、もしばれればそれを知った国に狙われるはずよ。とくに力を欲している国に。3つめ、まだあなたが魔法に慣れていないこと。魔法に慣れていないと、いくら力が魂と結び付いていても、制御できずに暴走する恐れもあるわ。」
そんなに自分は恐ろしい存在なのか...と思い落胆していると、
「でも忘れないで。その神々からエトニアを守れるのはあなただけだってことを。」
「はい。でも僕はどうすればいいんですか?」
「うーん...」
リーシャはしばらく考え込んでいたが、
「ねえ、イオ?あなたが魔法を学んだ所でセナ...ううん、リアに魔法を学んでもらえばいいんじゃない?そうすれば力の制御もできて魔法のセンスも磨けるからジークに対抗できるし。」
「いいけどセルールは妖精以外は入国出来ないよ?」
「なら1ヶ月だけ学校にいけばいいと思う。魂と魔力が融合して安定してるみたいだから、魔法を使うのも普通よりずっとやり易いと思う。私達はここの近くの町で調べたい事もあるしね。」
「わかった。」
するとイオはリアの方を向き、
「早い方が良いから、あしたいくよ。心の準備をしておいてね!」
「それと...よろしくね!」
「よろしくな。」
「私もよろしく!」
「よろしく。」
ちなみに順番はイオ→少年→リーシャ→エルだ。
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
これからはセナではなくリアにしていきます。
次回からはずっとかいてみたかった魔法学校だ!次回は神の魔法の凄さの1つがでますよぉ~!