「あれ、・・・誰だっけ?」
「うん?」
闘志は家に帰って届いている一通の手紙を開けた
中には真っ白な紙に文章が綴られており、文章の最後に「鬼龍」と書いてあった
「・・・鬼龍?・・・」
この手紙は鬼龍が書いたとしても鬼龍の文字には見えなかった
だれだ・・・?だれが何のために・・・?
誰かが鬼龍を操って何かしようとしている
手紙を大事なものを入れておく棚にしまい、鍵をした
ピンポーン。
インターホンが鳴った
「・・・誰だろう?」
闘志はインターホンについているカメラの画面を見た
そこには懐かしい顔があった
「・・・凛!凛じゃねぇか!!」
そこには凛が立っていた
それから数分後
「久しぶりね闘志」
「ほんとだな。懐かしいなぁ」
リビングにあるソファに二人とも隣り合わせで座り、古き思い出を語り始める
闘志が凛にある質問をした
「そういやぁお前、今何の仕事してんの?」
凛は一瞬戸惑う。凛は別に仕事と呼べるほどの仕事をしていない。
いわゆる泥棒なので、誇れる仕事ではなく、ただただ闘志をがっかりさせてしまう単語だ
一瞬戸惑った凛だが、そんな素振りは一切見せず、一瞬にして答えを導き出しこう答えた
「教師・・・。教師よ。中学校の先生をやってるの」
「へぇーー。やっぱりかぁ・・・。凛は善先生を尊敬してたもんなぁ・・・」
「ま・・・まぁね。あの先生にはまた会いたいけど、そういえば闘志。鬼龍からの手紙見た?」
「うん。見たよ。」
闘志はさっき鍵を閉めた棚の中から手紙を取り出し、凛に見せた
「これでしょ?、それにしてもこれなんかおかしいと思って・・・」
「私もそう思ったけど、実は私のところに理劉が来たの」
闘志は驚愕の表情をした
「理・・・理劉!あいつが来たの!?」
「うん、私もびっくりしたの。あの男、もう刑務所から出所したのね」
「理劉か・・・また懐かしいなぁ・・・、」
凛は闘志に気になっていたことを聞いてみた
「闘志・・・、私達もう20歳超えてるじゃない?あんたってさ、お酒とかタバコとか吸うの?」
闘志は即答で答えた
「そんなもの吸わないよ。お酒も飲まない、タバコも吸わない。」
「そうねー。煙たいしね。」
能力の高い人間はタバコが嫌いだ。
3年13組のみんな全員は誰もタバコを吸ってはいない
お酒も飲まないのである。とにかく体に害のあるものは取り込まないのだ
そういう身体の管理が滞っているから、毎日最高のコンディションを保てる。
まぁ、例外として、カフェオレを飲まなければ力がでない人間もいるが。
「あぁ、そういえば、理劉と鬼龍とあともう一人、いたわよね。この三人でつるんでたグループって」
闘志は思い出そうとするが、思い出せない
「そんな人いたっけ?」
凛もぎりぎりのラインだが、いた記憶があるような気がしていた
「いたわよ、名前は忘れたけど・・・。確か・・・いや何だったっけ?つーかいたっけ?」
気付けば窓がゆっくりと開き始める
音を立てずに開き始める
「あれ?後もう一人・・・、確かにシルエットはあるような気がしないでもないけど、なんか思い出せないな。だれだっけ?」
窓から薄ーい人影を姿を現し、闘志の家に入ってきた
だが、闘志と凛の二人は全く気付かない
「なんか、いたなぁ・・・。あれれ?どこかの写真で見た気がするけど・・・、ちょっと探してくるわ」
「分かった。なんとか思いだしたいなぁあいつ」
男がしゃべりだす
「いや、いましたけど」
二人は気づかない
「写真見つけたよー。けど、いない・・・」
「この太陽に光がちょうど反射して見えない人がそうじゃね?
なんか名簿の名前も墨で黒くなっちゃってるし、この写真じゃわからないな」
男が二人のそばに駆け寄り、一緒に写真を見る
「いやいや、ちょっとなんで気付かないの?」
「別の写真も見つけたけど、これは木に隠れてるし、これは飛んできた鳥に見事かぶってるし、これはトリが落とした糞に見事かぶってるし、これは何処からか飛んできた紙飛行機にかぶってるし」
「写真写り悪すぎだなぁ~この人」
「いやいやちょちょちょちょいい加減気付けよ!」
「あん?」
「え?」
「やっと気づいてくれたか・・・」
「いやいや誰だお前?」
「警察に電話だ警察に。不法侵入してくる人がいますって電話しろ!」
「いやいや、ちょっとまてお前ら、俺だよ俺、俺だって思い出せよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おいこいつ新手の詐欺者だよ、目の前にいるのにおれおれ詐欺してきたぞ、こりゃあ通報だ!」
「いやいや、ギャグはいいからとっとと思い出せよ!俺だよ白兎だよ!薄影白兎!、鬼龍と理劉と一緒につるんでた三人の一人だよっ!」
「・・・、あぁーお前か。思い出したわ」
「なんかすっきりしたな」
白兎はやっと思い出してくれたかと安心する
「で、何の用?」
白兎はここに来た理由を話す
「いや、俺は闘志に手紙のことを言いに来たんだけど、なんかもう伝わってるぽいからいいわ」
「帰んの?」
「うん、帰る。じゃあね。同級会で会おうぜ」
そして白兎は帰った
数秒後、闘志は言った
「あれ、・・・誰だっけ?」
王龍中学校3年13組の薄影 白兎は影が薄かった。