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Class  作者: 月見 白豚
2/9

「俺は死なねぇ」

ここはよく晴れている。

西の方からは黒くどんよりとした雲が押し寄せてきているというのに

ここだけはとても晴れている

雲ひとつない快晴の中だった

何と幸せだったのだろうか

言うことのない人生だったな


「俺は、死ぬのだろうか」


「だろうなぁ。おめぇさんはじきぃ・・・死ぬなぁ・・・。」


「勘弁してくれねぇか。やりてぇことが山程ある」


「そりゃあぁ、無理な相談だぁ・・・。おれゃあ、医者だが、オメェさんの病気は謎が多くて手がつけらんねェのよ」


「んなことは何回も聞いたぜ、お医者さんよ」


「そうだったけかぁ・・・へへへへ」

ゴク、ゴク、ゴク


「やめろおっさん酒くせぇ・・・てか、死にそうな患者を前によく酒が飲めるなあんた」


「全然死にそうじゃねえ口調だがなぁ・・・もって20分かなぁ・・・あんた」


「あぁーあ、そうかい。くだらねー、じつにくだらない・・・・。が、素晴らしい人生だったなぁ」


「なら良かったんじゃねぇのか・・・まぁ気楽にいこうや。まだまだ先は長いよぉ・・・」


「いやおっさん。俺は長くねぇのよ分かってる?、今さっきあんたに20分て死の宣告もらってるんですけど」


「お前さんが今生きてることがまず不思議だよぉこっちは」



ここは、王龍病院と呼ばれる場所で、行っても設備は完ぺきに整ってけど

医者が医者なもんでこの通り適当やってるから信用できない病院だ

患者の前で酒飲むような医者は初めて見たよね

この医者の名は古室こむろというらしい。名字しか知らないので詳しい情報は分からない

どうやら年も結構いってるらしい。


俺は「闘志」、羽柴闘志はしばとうし

どうやらたいそう重い病気を抱えてるらしく、聞いた話によると、脳の半分が消え去り

腸、胃は4分の1の重さしかなく、腎臓は無い。

臓器だと思われるものも身体にはなく、まさに消え去ったといわざるを得ない謎の奇病

生きてることが不思議なくらいの重体で、死の宣告どころかもう死んでるだろ。・・・です


「まぁ、おっさん。俺はね」


「なんだぁ、、最後の言葉ってやつか。しゃあねなぁおい・・・ホラ言ってみろ。聞いといてやるから」



「おっさん、俺は死なねぇよ。俺は身体の半分が消え去ろうが、脳がなくなろうが、心臓がなくなろうが、首がなくなろうが、いつだって死なないのよ俺は。」


「はぁ?何言ってんだお前さん・・・。とうとう頭イっちまったか?ケケケケ」


闘志は、にやりと笑い、医者にこう言った


「おっさん知ってるか?王龍中学伝説のクラス。3年13組。」

「あぁ、もちろん知ってるよ。一人ひとりが異常と呼ばれた日本最強のクラスだろ。何においてもトップに君臨し続けて、犯罪者も出したあのクラス」


「当時、史上最悪の事件が王龍中であったとき、それを見事解決したのも3年13組だ」


「史上最悪の事件じゃとぉ・・・・?そんなもんがあったんかい?」

「まぁそんなことはおいといてだ。」


「俺はその王龍中のクラスにいたメンバーの一人。おっさんいいか・・・?俺はな。不死身なんだ」


「へぇ・・・不死身ねぇ。そいつは凄いやぁ。いやぁ・・・びっくり仰天よぉ。たいしたもんだなぁうんうん」


「おい、相変わらず返事も適当かおっさん」


「おめぇさんが王龍中の3年13組のわけがねぇ・・・。あのクラスは今から6年前に滅んだはずだ」


「滅んでねぇよ。あのクラスがそう簡単に滅びるはずがねぇ。とくに、京屋キョウヤとかリンは懐かしいなぁ・・・」


刻々と時間が過ぎる。死の宣告をされてから19分30秒が経過していた


「あと30秒だよぉ・・・。」


刻々と時間が過ぎてゆく。

「残り5秒」


「3」


「2」


「1」


バタッ

闘志がベットから転げ落ちた。

医者がカウントダウン0秒のとき、部屋には心拍数は0を示し、ピーという音が鳴り響いていた

静かな病室で、ただ一人医者だけが残った

医者は静かに、闘志に最後の言葉を投げかけた



「おめぇさん。本当にしぶてぇ野郎なんだなぁ・・・ハッハッハ」


医者が言葉を言い終えた瞬間、闘志は立ち上がり、少し驚いた表情を浮かべていた

「気付いてたのかおっさん!」


「俺をなめるなよぉ・・・てめぇの小芝居なんざちょちょいのちょいで見破れるさ」


「本当に13組のクラスだったんだなぁ・・・体には何の異常もねぇ。さっきまでの状態が嘘のように、きっちり人生かみしめてるよあんた」


「そいつは良かった。俺は今日で退院だ。今までありがとうなおっさん」

「おう!もう、二度々くんじゃねぇぞ」


闘志は王龍病院から出て、ちょっとした医者との茶番を楽しんだ


「王龍中学最強のクラス3年13組「羽柴 闘志」は不死身だった」

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