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プロローグ
色々なところに伏線があります
注意深く読んで下さるとうれしいです
「息してるか・・・?」
暗い倉庫内で静かにとある音が響き渡る
とある声の少年は、暗く見えないのか目を細め、心配そうに語りかけた
トーン。トーン。トーン。と一定の間隔で鳴り響く音は、少しずつ大きくなりやがて消えた
少年が振り返ると、そこに立っていたのは一人の黒い服を着た青年。
クシュ・・・。
あの時聞いた音を忘れてはいない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
青年の唇が静かにゆっくりと動き始めるが、少年は意識が遠のいていた
刺された。
少年は感じた。
暗くてはっきりとは見えないが、赤く、温かい、液体状の何か
ふと、別の方に目を向けると、さっきまで語りかけていたものがゆっくりと動いた
青年の顔は暗くて全く見えなかったが、あの見たことのあるシークレットと、嗅いだことのある香り
そうだ。・・・あれはあいつだ。
ここから、彼らの物語は始まる。