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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

部活を僕はやりたいんです。体がついてこないんです。

作者: i/o
掲載日:2026/02/04

 死を直感する日がある。昨日も今日も明日も何もなくて死にたくなって。でも生きたい。こんなことで僕は死にたくないし生きたい。でも体は拒んだ。


 こんなことを話すと精神状態がやばいと思うだろう。実際にやばいのである。これを話している日にはもうしっかりと本人と向き合わなければ手遅れだ。


 僕はただの学生だ。生徒だ。ただ学校に通うだけの人間だった。部活にテスト、友達に勉強、楽しいんだ。楽しいのに体は止まる。学校に行きたい。勉強したい、友達ともっとおしゃべりしたい。心は拒む。


 貴方は部活をどう思う?青春、恋、友情、はたまた惰性か。僕はただ部活をやってもっともっとスポーツの技術を向上させたかった。そして三年間の自分自身の成長を知りたかった。ただそれだけ。それが僕を部活に動かしていった。楽しくてうれしかった。


 部活でただただ上手くなっていく自分に嬉しさと感動を覚えた。監督に怒られることはあったけどそれも厳しさと受け取って頑張った。


 ある日監督との行き違いで一切話を交わさなくなった。半年間話さなかった。褒められた記憶は三つしかなかった。それでも毎日毎日信用を取り戻すために頑張って頑張って部活を休まず続けた。いつか認め直してもらえる日が来ることを信じて。












 でも、体は動かなくなった。


 最初の異変はただの食欲不振に吐き戻し、だるいだけで、大したことはない。だから二日目も部活に行った。部活をこんな理由で休む気にはなれなかった。母は怒る。部活には行くなと。怒鳴られるとどっちの自分が正しいか分からなくなる。吐き気がするだけ。朝ごはんが食べれないだけのことで熱があるわけでもないのに休んでもいいのだろうかと。


 結局部活に行った。最初の内は死にたくなって勝手に目から涙が零れ落ちる。でもスポーツをやればやるほどその重りは消えて、ただの楽しい部活に戻った。明日も行きたくなった。


 次の日には体が動かない。布団が僕を鎖で縛るかのように起こさせようとしない。


 監督に体調不良で休むことを伝えた。スマホを持つ己の腕は上がり切らず、ボタンが遠い。監督に怒鳴られる恐怖が浮かぶと死にたくなるから。


 カウンセラーに病院と転々し、精神病と言われた。


 頑張りすぎと言われた。雨以外の休養日がないことを医師に伝えると驚いていた。頑張りすぎと。部活を週七でやるのは当たり前ではないのだろうか。不思議に感じた。


 部活は休部した。好きなスポーツを続けることのできない苦しみが生まれ、また自分を責める悪循環がただひたすらに続くだけだった。薬を飲んだらだいぶ良くはなって立ち上がれるようにはなったが人通りの多いところに行くと吐き気で歩くこともままならず学校へ行けなくなった。


 留年した。でも、部活のことを諦めきれない自分がいた。もっともっとスポーツをガチガチにやって上手くなりたいとそう願い続ける自分がいた。スポーツ漫画だって諦めずにやり切って引退する姿がたくさんある。勝ち負けがあっても華々しく自分の努力の成果を見せる資格があると僕は信じていた。


 僕には、引退する資格はなかった。退部しかないと突きつけられる現実に僕は悔しさも感じることができないのかと悔しくなった。


 退部か、退学か。退部しかない。でも不完全燃焼なんだよ。僕が初めて本気になって始めたスポーツが留年で終わることを僕は泣くことも許されなかった。


 負けて、悔しくて、コートで自分の実力を出し切れずに泣きながらコートを去る。そんなことは夢幻で、実際は部活をすることを体は許してくれなかった。


 部活を僕はやりたいんです。体がついてこないんです。


 退部するときに監督にこう言わなければならないのだろうか。あんなに楽しかった部活をいやいや辞めさせられるのが心底悔しくて。自分の弱い心を殴りたかった。他の人より弱い自分の心を自分は認められなかった。


 神様、部活をやらせてください。引退する資格をください。技術を教えてもらう覚悟をください。


 僕は全て失った。休日が減るからとだるくていやいや言っていた部活もこんな終わりだけは認められなくて。


 本当に部活が好きな人にしか、神様は部活をやらせてくれないのだろうか。









 留年する自分へ。貴方は弱くない。だから、心が折れそうだったら頼って。誰でもいいから。

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