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恋と任務はシークレットで  作者: Dr.Kei
リベルタス内偵捜査編

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12/14

File No.12 号泣

すると宇佐美は、途端に口を開き、加江田を庇うように言った。

「リーダー。彼は、陥れようとしてやったのではありません。助けるために行動したんです」

「は?どういうことだよ?」

黒沼は苛立ちを隠さず、宇佐美に問い返した。

「今朝、すべての証拠を絶対に見つからない場所に隠しましたよね?」

宇佐美は落ち着いた口調で続けた。

「つまり、捜査が入っても証拠は見つからない。実際、何も見つからなかった。その状況で、わざわざ捜査官の立ち入りを拒む理由はありません。もし拒めば、かえって怪しまれるだけです。川本はそこまで読んだうえで、この行動に踏み込んだのです」

説明を聞き終え、半沢はしばらく黙り込んだ後、納得したように言った。

「理由は分かった。だが川本、次からは二度と独断で動くな。いいな?」

黒沼はそう言って、加江田に釘を刺した。

「…はい。分かりました」

加江田は不服そうに、ぼそりと答えた。

宇佐美は「ふぅ」と小さく息を吐き、胸を撫で下ろす。

それからしばらくの間、二人はリベルタスの下っ端として、爆発装置の開発を手伝うふりを続けていた。

「川本、ニトログリセリンの薬瓶を持ってこい」

「馬場、ペンチだ」

「川本、火薬の袋もだ」

「はい、分かりました!」

二人はへとへとになりながら、ひたすら命令に従い続けた。

そして一週間後、二人は突然、半沢に呼び出された。

「川本!馬場!」

「はい?何でしょう?」

二人は顔を見合わせ、不思議そうに答えた。

「明日、リベルタスの大阪支部に出張に行ってくれないか?」

黒沼は二人に頼んだ。

「え? いいですけど、何でですか?」

加江田が不思議そうに尋ねた。

「明日、大阪支局で慰労会が秘密裏に開かれる。せっかくだから、我が偉大なるリベルタスの祝典に参加してもらおうと思ってな。君たちと、もう一人の下っ端に参加してもらいたい。それに、大阪支局長の赤崎ジョンソンへの挨拶も兼ねている。ぜひ一度会ってみてほしい。きっと感銘を受けるはずだ。どうだ?」

「…まあ…いいですよ」

二人は内心では気が進まなかったが、仕方なく引き受けた。

その日の昼、明日大阪へ出張する予定の加江田と宇佐美は、横浜駅前のマークドナルドという店で、ボサボサ頭にタレ目の若い男性、小丸翔太と一緒にハンバーガーを食べていた。

すると突然、小丸が泣き出した。

「もうこんな生活やだあ!!」

「大丈夫ですか?」

宇佐美は、心配そうに聞いた。

しかし彼の号泣は一向に収まらなかった。

思わぬ展開に、二人は困り果ててしまったのだった。

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