File No.11 証拠隠滅
「入るぞ」
岩山がそう言うと、数人の捜査官が倉庫の中へ踏み込んだ。
彼らは倉庫の隅々まで捜索したが、事件性を示すものは一切見つからなかった。
しかし、それは地下にシェルターが存在することに、誰一人として気づかなかったからに他ならない。
「それ以上捜査を続けるなら、名誉毀損で訴えますよ。第一、私たちは何も悪いことをしていないじゃないですか?」
黒沼は意地の悪い笑みを浮かべて言った。
「い、いえ…あなた方のグループは、反社会的な発言を繰り返していて、少し怪しいと判断しただけで…」
追い詰められた岩山は、弱気な口調で答える。
「でもこの国には、言論の自由というものがありますよね? 発言だけで怪しいかどうかを決めるなんて、おかしいでしょう」
黒沼がそう言うと、加江田と宇佐美を除いたファミリーたちが、「そうだ!」「その通りだ!」と一斉に声を上げた。
「…」
岩山は言葉を失い、黙り込んだ。
やがて、悔しそうに歯を食いしばりながら言った。
「…今日は一旦、引き上げるぞ」
そうして捜査官たちは、その場を後にした。
加江田と宇佐美は、胸を撫で下ろした。
ー良かった…岩山隊長、うまく俺たちのことを知らないふりをしてくれた…ー
しかし、その安堵は長くは続かなかった。
黒沼が、加江田を射殺すような視線で睨みつけた。
「てめえ…なんでさっき、俺の命令もなしにドアを開けた?ああん!?」
黒沼は、怒りを露わにして怒鳴りつけた。
加江田は大ピンチになってしまったのだった。




