闇からの咆哮、再び立ち上がる正義
フィーユの意識は、深い闇の中を彷徨っていた。
あの時、ダークフィーユの圧倒的な力の前に、為す術もなく敗北した。
正義は悪に敗れ、街は闇に覆われた。
あの時の絶望と、自らの無力さを突きつけられた屈辱が、彼女の心を蝕んでいく。
「これが…終わり…なの…？」
諦めにも似た感情が、フィーユの心を支配しようとする。
しかし、その瞬間、微かな光が差し込んだ。
それは、かつてフィーユが守った人々の、街の、未来への希望の光だった。
「違う…まだ…終わっちゃいない…！」
フィーユは、心の奥底に燃え残る正義の炎を再び燃え上がらせた。
例えどんなに傷つこうとも、どんなに苦しかろうとも、悪に屈してはならない。
正義の魂を、未来へと繋いでいくために。
「私は…仮面ファイターフィーユ…悪を倒し…正義を示す！」
フィーユは、自らの名を叫びながら、闇の底から這い上がる。
彼女の身体は、再び変身エネルギーに包まれ、紅蓮の炎を纏った正義の戦士の姿を取り戻していく。
一方、ダークフィーユは、フィーユを倒したことで、街を完全に支配下に置いていた。
人々は恐怖に怯え、かつての活気は失われていた。
「フン、所詮、正義なんてそんなものよ。弱肉強食、力こそが全て！」
ダークフィーユは、高笑いと共に、街の人々を苦しめていた。
しかし、その表情はどこか満たされていなかった。
フィーユとの戦いは、彼女の心に、微かながらも空虚さを残していたのだ。
「お前は…本当にそれで…満足なのか…？」
不意に、背後から声が聞こえた。
ダークフィーユが振り返ると、そこには、再び立ち上がったフィーユの姿があった。
「な…なぜ…生きている！？」
「悪を倒すまでは…私は…何度でも…立ち上がる！」
フィーユの瞳は、以前にも増して力強く輝いていた。
それは、敗北から学び、さらに強くなった証だった。
「いいだろう…ならば、今度こそ貴様を完全に葬り去ってやる！」
ダークフィーユは、再び時間操作能力を発動させようとする。
しかし、フィーユは、その動きを見切っていた。
「もう…貴様の卑劣な力は…通用しない！」
フィーユは、ダークフィーユの攻撃をかわすと、渾身の一撃を叩き込む。
ダークフィーユは、その衝撃に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「な…なぜ…私の力が…効かない…？」
「私は…人々の希望の光…その光の前では…どんな闇も…消え去るのみ！」
フィーユは、人々の希望を力に変え、ダークフィーユに立ち向かう。
二人の仮面ファイターの戦いは、再び激しさを増していく。
「負けるものか…私は…悪の仮面ファイター…ダークフィーユ…！」
ダークフィーユもまた、意地とプライドを賭けて、フィーユに反撃する。
しかし、フィーユの正義の心は、もはや揺るぎないものとなっていた。
「正義は…必ず…勝つ！」
フィーユは、最後の力を振り絞り、必殺技を放つ。
紅蓮の炎がダークフィーユを包み込み、その姿を焼き尽くしていく。
「うわあああああああ！」
ダークフィーユの断末魔が、街に響き渡る。
そして、悪の仮面ファイターは、完全に消滅した。
フィーユは、静かに変身を解き、人々の前に姿を現す。
人々は、再び現れた正義のヒロインの姿に、歓喜の声を上げた。
「フィーユ…！」
「ありがとう…フィーユ…！」
フィーユは、人々の笑顔を見て、安堵の笑みを浮かべた。
正義は、悪を打ち破り、再び街に平和を取り戻したのだ。
(仮面ファイターフィーユ大逆転)
