仮面の正義、地に堕つ
「貴様のような悪の仮面ファイターが、この街に現れるとは!」
漆黒の闇を切り裂くように、紅蓮の炎が燃え上がる。
それは、正義の女性仮面ファイター フィーユの怒りの象徴だった。
彼女の瞳は、夜の帳に覆われた街を睥睨する、悪の女性仮面ファイター ダークフィーユの姿を捉えていた。
「正義? くだらねぇ。所詮、勝者が勝手に決めたルールに過ぎねぇんだよ」
ダークフィーユは高笑いと共に、漆黒のエネルギー弾をフィーユ目掛けて放つ。
フィーユは間一髪、それをかわすと、怒りを露わにした。
「貴様のような悪に染まった者に、正義の心を語る資格はない!」
フィーユは、女性初の仮面ファイターとして、長年人々を守り続けてきた。彼女の誇りは、正義の魂を正しく教え、悪を討つこと。その信念は、揺るぐことのない鋼鉄の如く強固なものだった。
「正義? そんなもん、この街には必要ねぇんだよ!」
ダークフィーユは、フィーユの信念を嘲笑うかのように、時間操作能力を発動させる。
周囲の時間が歪み、フィーユの動きが鈍る。
「な、何をする気だ!?」
「お前みたいな偽善者に、正義を語る資格はねぇんだよ!」
ダークフィーユは、フィーユのエネルギーを容赦なく奪い取る。
フィーユの身体から力が抜け落ち、変身が解けそうになる。
「こ、こんな…卑劣な…」
「卑劣? それが何か? 勝てばよかんのだよ!」
ダークフィーユは、フィーユの必殺技を無効化し、容赦なく攻撃を叩き込む。
フィーユは、傷つきながらも、必死に立ち向かおうとする。
「(諦めるな…フィーユ…正義は…必ず…勝つ…)」
フィーユの脳裏に、かつての師匠の言葉が蘇る。正義は必ず勝つ。
その言葉を胸に、フィーユは再び立ち上がろうとする。
「無駄な抵抗はよせ。お前のような偽善者に、未来はない!」
ダークフィーユは、フィーユの最後の希望を打ち砕くかのように、とどめの一撃を放つ。
フィーユは、力なく地面に崩れ落ちた。
「(正義…敗北…?)」
フィーユの意識が、闇に呑み込まれていく。
彼女の視界の隅で、ダークフィーユが勝ち誇ったように高笑いしているのが見えた。
「(これが…正義の…末路…?)」
フィーユの最後の言葉は、夜の闇に虚しく響き渡る。
悪の勝利、正義の敗北。街には、ダークフィーユの嘲笑だけがこだました。
こうして、正義の女性仮面ファイター、フィーユは、悪の手に堕ちた。
正義の魂は、闇に葬り去られ、街は絶望の淵に突き落とされた。
(BAD END)