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18 パーティー登録

昨日は結局、


リズベットがしたかった確認とやらと、


カレンの荷物を宿に運ぶのだけで、一日が終わった。


部屋をそれぞれ一部屋ずつ取るのは、


宿にとって稼ぐ機会を奪うことになるのではということを、


カレンが言うので、3人一緒の部屋になってしまった。


冒険者は一人部屋の需要が多いため、


パーティーを組む場合はできるだけまとまって泊まるのが、


マナーなのだが、


アレンは流石に男女一緒はまずいのではと思ったため、


最後まで抵抗はしたのだ。



まあ、正直アレンにとっては一人部屋でも三人一緒でも、


生活自体が変わるわけではないので、


ほぼ関係はないのだが…。


しいて変わるところを挙げるとすれば、


仮面を外したり、フードを取ったりがしやすくなるという点だ。


リズベットやカレンに来客やおじさんやおばさんの対応をしてもらえるため、


仮面をつけたり、隠れたりする時間ができる。



そんなこんなでカレンの引っ越しも終わってので、


冒険者ギルドへパーティー登録のために向かった。



パーティー登録を終え、


今はカレンの冒険者の資格回復を行っている。


どうやらカレンは使用人の訓練のため、


ギルドの討伐依頼を受けていた時期があったらしい。


ランクもCランクらしく、とても頼もしいことだ。


まあ、残念ながら、前衛ではなく中衛が得意なアサシンらしいのだが…。


どうにかして前衛を探さねばと決意を新たにした。



それはともかく、早速依頼をと思い、ボードを見ていると気になる依頼を見つけた。


「南の森の調査?」



先日、現れるはずのないスケリトルドラゴンが南の森に出現した。


森の奥でなにか異常があったのかもしれないため、


Bランク以上の高ランクの冒険者を募集する。


依頼料は金貨10枚。



かなり破格な依頼だったが、


前衛のいないこのパーティーで受けるのには、


かなり荷が重いように感じた。


帰り際、アレンもリズベットの背中から覗いていたが、


確かまともに戦闘をしていたら、


今の僕たちでは、何日あっても、


サラティアに辿り着けないほどに強い魔物に溢れていたように思う。



なので、受けるとすれば別の依頼だと、


他のものに目を移そうとしたら、


ちょうどその依頼用紙を手に取る存在がいた。


「ふむふむ…危険だな…しかし、これを放っておくわけにも行かないな。」


手に取って考え込んでいたのは、


金髪を肩のあたりで整えた美人なお姉さんだった。


アレンはよく知る人物だったので、認識阻害を適度に切り、声をかける。


「エリアーデ、この前はありがとう。」


「おっ、アレンじゃないか、


どうだ?この依頼アレンと一緒なら私は凄く凄く頑張るぞ。


だから、一緒に…。」


エリアーデの言葉は途中で切られ、


リズベットたちがやって来た。


「アレン、カレンの再登録終わったよ。


なにか良い依頼は…あっ!」


「あっ!」



それから、アレンがリズベットたちとパーティーを組むことを、


途中で合流した残りの【雪華】のメンバーに説明すると、


一瞬寂しそうにはしたが、すぐに祝福してくれた。


「そうか…アレンのことは私たちも狙っていたのだがな…。」


「ご、ごめんなさい、アレンを取っちゃって。」


「なに、気にするな。


別にパーティーメンバーでないからといって、


アレンとの仲が変わるわけではあるまい。なあ?」


アレンはコクリと頷いた。


「ああ、エリアーデたちにお世話になったことも、


仲良くなったことも変わらない。


これからもどうか仲良くしてほしい。」


「もちろんよ」「もちろん」「うふふ」


三人はもちろんと言った様子だったが、


そう言い出したエリアーデはどこか寂しさがぶり返してきたようで、


どこか悲しげな顔でソッポを向き、


「それじゃあ頑張れよ。」と言って、受付まで歩いていってしまった。


ミリアとネアはアレンの頭を撫でて、


マルタさんはハグをして去って行った。



先ほどまで黙っていたカレンが口を開く。


「良い人達でしたね。」


アレンとリズベットは大きく頷いた。


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