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キャラメル・ラテです!

最終話です♬

「ついに、来たよこの日が……」

「じゃあせーので告白しよっか」

「待って!」

 私たちがドーナツ屋に集まって、話をしていたら、歩弓が止めに入った。

「全員で、みんなのテーマカラー決めて、告白したい人の色のものを買ってこようよ」

「お、いいなそれ」

「確かに気まずくならない」

 歩弓の案が採用された。



「じゃあ、1時間後、またここに集合」



陽翔 桜色

菜月 黄色

彰良 橙色

歩弓 白色


 春夏秋冬をイメージしてカラーを決めた。

 私は……。





「じゃあ、買ってきたもの、せーので袋から出すよ」

「うん……」

「恨みっこなしね」

「うん……」

「せーの!」



陽翔 白色 歩弓

菜月 桜色 陽翔

彰良 黄色 菜月

歩弓 桜色 陽翔




「あ……」

「お、おめでとう、歩弓、陽翔」

 私は泣きながら言った。泣かないつもりだった。どんな結果でも。

 でも、なんで?みんな泣いてる。


 陽翔の買ってきた、白色のマフラーが濡れる。私の買ってきた、桜色のシャーペンも濡れる。彰良の買ってきた、黄色の手袋も濡れる。歩弓の買ってきた、桜色のキーケースも濡れる。

 みんな濡れる。涙で濡れる。

 みんな、タオルとかハンカチで涙ふいてる。



 陽翔と歩弓は恋人同士、私と彰良は友達同士となった。

 陽翔の中には、歩弓しかいなかったんだ。

 私じゃ、だめなんだ。だめだったんだ。



次の日

「あー、もうすぐ期末テストだね〜、歩弓!」

「そ、そうだね。なっちゃん」

「ねぇ、いつまで気まずいの?私たち」

「だって……」

「もういいよ、歩弓は陽翔に選ばれたんだ。だから、自信もちなよ!」

「でも……」

 歩弓の前では、明るくいるしかできなかった。もちろん、陽翔の前でも。彰良にも、私が振っちゃったから……。私は必死に明るく振る舞っていた。


 ん、、?手紙?

 机の中に手紙。


『菜月へ

 一人で読んでください。

 陽翔』



 陽翔?!陽翔からの手紙……。封筒には、一人で読んでとメッセージ。




 私は、昼休み、一人で屋上へ向かった。


『菜月へ

2週間、ありがとう。すげー楽しかった!

俺は、付き合うこと自体初めてでこんなことしかしてやれなかった。ごめん。

菜月と過ごした2週間は本当に楽しくて、時間忘れてた。もっと続いてほしかった。

明るくて、元気な菜月にいつの間にか惹かれてた。俺を好きになってくれてありがとう。

でも、俺には、歩弓がどうしても忘れられなかった。どうしても……。どうしても……。

菜月は、友達として大好きだから。

いい恋をしてほしい。俺じゃなくても。

彰良、あいつ、いいやつだから。自慢の幼馴染だから。うまく言えないけど、菜月には、いい恋をしてほしい。幸せになってほしい。たとえ、相手が俺じゃなくても、彰良じゃなくても。

俺は、また4人で楽しく、遊んだり、勉強?したりできる日を待ってる

陽翔』



 言葉がでない。言葉より、涙がでる。私の涙の雫が靴の上に落ちた。屋上に持ってきた、お弁当の風呂敷が濡れる。私は、水筒のお茶を一口のんだ。

 お茶が身体全体に染み渡る。温かいお茶が私の冷えきった身体を癒やす。

 私は、泣きながら、お昼のおにぎりとパンを食べた。一人で……。

 こんな、お昼ご飯初めて。



「あ、いたいた、菜月!」

「え?!」

「え?!何泣いてんの?」

 彰良?探しに来てくれたの?

「な、なんでもない。なんでもないから!」

「なんでもねぇわけないだろ!」

 涙が止まらない……。

「とりあえず、階段行こう。屋上の鍵が閉められる前に」

「うん……」



 彰良は、なんで泣いてるのか聞かずに、そっと側にいてくれた……。


「なぁ、クリスマス・イブ、4人で集まらない?って陽翔と歩弓と話してたんだけど、どうかな?」

「うん、いいよ」

「よし、決まり!」

「で、さ……」

 彰良が真剣な目をする。

「ん?」

「クリスマス……。12月25日、俺と会ってくれない?」

「いいよ」

「やっぱりなー。ダメだよなって、いいの?!」

「別に、予定ないし」

「よっしゃー!」

 彰良は笑顔を見せた。

 陽翔と歩弓はきっとデート……。




12月24日

「それじゃあ、恒例、プレゼント交換と行きますかー?!」

「恒例って、うちら集まって初めてのクリスマス・イブじゃん」

 彰良が提案して歩弓が笑う。

「えー、俺には1万円相当の、みんなは300円以内のプレゼントっと……」

「あ?縄跳びでも買ったろか?」

 彰良に陽翔が突っ込む。

「なんで縄跳び?」

 私が陽翔に聞いた。

「これから、クリスマス、正月でこいつぜってー太るから。ダイエット」

 みんなで笑った。



「じゃ、気を取り直して〜」


「あ、これ、歩弓のだ!」

 陽翔が嬉しそう。

「お、これは、陽翔からだ」

 彰良が言った。

「あ〜、なっちゃんからだ!嬉しい」

 歩弓、喜んでくれた!

「え〜っとじゃあ私は彰良からかな?ってえ、なんでハサミ?しかも髪切る用?」

「え?だって、美容系ほしいって……」

「美容系って化粧品とかのことだよ?」

「え?そうなの?美容師が使ってるのイメージしたんだけど」

 みんなで笑った。

 彰良らしい間違え。

 久しぶりに楽しい。




12月25日


「あ、彰良!待った?」

「全然?行こっか」


「うわ〜、きれ〜」

 イルミネーションが輝いていた。

「ねぇ、菜月」

「ん?」

「やっぱ俺じゃだめ?」

「えっと……」

 どうしよう。

「やっぱり、陽翔のこと、忘れられないんだよね。彰良といるのは、楽しいし、安心するけど……」

「安心する恋は嫌?」

「えっ?!」

 安心する、恋?

 彰良といるのは、安心する。でもドキドキはしない。陽翔といるとドキドキする。でも安心はしない。

「陽翔のこと、ただの友達って思えるように、俺頑張るからさ。だめ?」

「うーん」

 彰良といるのは、楽しかったし……。

「まぁ、付き合ってみてもいいよ」

「まじ?!」

 この先、どうなるかわからないけど。試しに付き合うのもありだよね……。







 私は、彰良に恋をしていることに気がついた。陽翔と2人でいると緊張してうまく笑えないけど、彰良と2人でいると安心して心から笑うことができる。

 過去の私、私は今、高1の時にもらった、彰良にもらったあのハサミで、夫の彰良と一緒に美容師やってます。



 恋に、正解はないけれど、追う恋と追われる恋、刺激的な恋と安心する恋。あなたは、どちらを選択しますか?

ここまで読んでくれてありかとうごさいます!!

評価・感想待ってます〜♪

キャラメル・ラテ

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