第0話 【ネクロマンサーになった少女】
息が苦し。
病室のベット横で泣きながら私の手を握る母の姿があった。
母は、何かを言っているようだがその声は全く聞こえず周りでは看護師たちが慌ただしくしている。
とても息が苦しく体の感覚が少しづつなくなっていき、ついには母の握る手の感覚もなくなった。
彼女は、見飽きた病室の天井を見上げながら願った。来世は楽しく生きられますように...と。
私は死んだ。
「お目覚めですか?」
「あなたは?」
「私は人々から女神と呼ばれるものです。」
「女神様...」
「はい、羽柴ルリさん。あなたは不幸にも命を落とされてしまいました...。ですが、あなたは今までとは別の世界で転生してもう一度人生をやり直すことができます。
とても信じられない話だが、今まで病院の外に出たことのない彼女にとってそれは、とても魅力的な話で断る理由もなかった。
「転生ってどうすればいいの?」
「これからあなたが転生していただく世界は多種多様な種族が存在し、ドラゴンや魔物と呼ばれるモンスターがいるため転生していただく方には生前、使わず残ってしまった運(神の加護)スキルポイントに変換してこの中からスキルを選んでいただきます。」
「指で下になぞるとあなたのステータスが表示されます。ステータスの下に振り分けることのできるスキルポイントが表示されていると思いますのでご確認ください。」
確認するとスキルポイントがマックスの100ポイントと表示されていた。
私は生前は死ぬまで病院生活だったため運を一度も使っていなかったのだろう。
女神様から手渡された本を開くとそこには【聖剣】や【魔剣】の所持や【剣術】【魔術】【錬成術】など
数多くのスキルがあり、この中から自分のもつポイントの範囲内なら自由に選択できるものようだ。
数多くのスキルの中から私が半分近くのスキルポイントを使って選んだのは、ゴーストやスピリット、アンデットの召喚使役する【ネクロマンサー】のスキルだ。
次に、残りすべてのスキルポイントを【魔力増加】につぎ込んだ。
「準備ができたようですね、では転送します。」
「では、よい冒険を!」
私は、女神さまに見送られて、どこかもわからない森に転送された。
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ルドニカ大森林
ルリは二度目の人生で、初めて見る外の世界に気持ちが舞い上がり、何も考えずただ走り出す。
走りつかれると近くの木にもたれかかり、差し込む日差しを浴びながら満足そうに微笑む。
「そうだ、スキル」
Lv.1
クラス ネクロマンサー
HP 16/16 MP 300/300
筋力 4 魔力 8
敏捷 4 技量 6
防御力 5 魔法防御力 7
他のステータスに比べて【魔力増加】により、MPがずば抜けて高くなっている。
習得したスキルは【ネクロマンサー】【魔力増加】の二つだ。【ネクロマンサー】はクラスに反映され、レベルを上げることで様々な魔法やスキルを習得できるというものだ。
レベル1の状態で習得している魔法は《サモン・スカルビースト》と《ポイズン・ミスト》が使える。
「とりあえず、使ってみるしかないわね!」
「---《サモン・スカルビースト》!」
魔法を唱えると、地面から昏く光る穴が開き、せり上がるようにスカルビーストが現れる。
「意外にかわいいわね!」
「たしかこの世界には魔物がいるんだったわよね。私でも倒せそうな魔物を探すわよ!」
あたりを探索して歩いていると、スカルビーストが何かを見つけたらしく、その後を追うとそこには川で水汲みをするゴブリンがいた。
「---《ポイズン・ミスト》!」
毒の魔法を使うと魔法がきいたのかゴブリンはふらつきはじめ、ルリは即座にスカルビーストに攻撃を命じる。
ゴブリンがスカルビーストに切り刻まれ、その場に倒れるとルリに経験値入り、レベルがアップした。
「よし、戦いの流れはこんなものかな」
「おつかれさま、ゆっくり休んでね」
スカルビーストをなでると、ルリの周りを跳ねまわり、再び地面から昏く光る穴が開き沈むように姿が消えた。
《サモン・スカルビースト》一体の召喚にMPを10消費する。
召喚魔法は、MPによる限界はあっても数による限界はないらしく、MPさえあれば一度に何体でも召喚できるようだ。
「よーし、この調子で第二の人生を楽しむわよー!」




