プロローグ
初投稿作品となります。
拙い部分もあるかと思いますがよろしくお願いします!
「お主はどの世界を選ぶ?」
成人をした日に俺の人生は終了した。
「あなたが大人になる事が私には許せないっ!」
50代ほどの女性が叫びながら仕事が終わり帰宅途中の俺に背後から刃物を刺してきた。
周りには仕事終わりや学校帰りで人が溢れており騒がしかった街灯が、悲鳴により一層うるさくなっていく。
「っなん!……あぁ俺もそう思う…」
刺された痛みで倒れこみ、刺した女性を見たときに俺は刺された理由が分かり自分の死に納得しながら20年という人生を終えたのだった。
そのはずだった…
「よく来たの」
刺された痛みがなくなったことに気づき目を開けると、何もない白い空間に1人の老人が立っていた。
(ここは死後の世界なのか?)
「うむそうだ、お主はさっき人生を終えてしまったんだ。…不本意な形ではあるがな」
悲しそうに慈しみをもった表情で俺を見て老人は心の声に応えてくれた。
(やはりそうか、心の声を読まれたという事はこの人…いやこの方は神様なのだろう。)
「神様俺は自分の死に納得しています。」
いつまでも神様の前で横になってるのは失礼だと思い、正座に体制を直し神様に向き合う。
きっと神様は、俺が殺されて傷ついていると思ってくれたのだろうが俺は自分自信が殺されて当たり前だと思っている。
「そうなのか?というか儂が神だということに辿り着くの早すぎるじゃろ。もっと驚いて欲しかったの〜」
神様は驚いたような顔をしすぐに残念そうにつぶやき始めた。
神様も表情豊かなのだなと思いつつ話が先に進まなそうなのでそろそろ戻ってきてもらわないと。
「あの、神様」
「ん?あぁーちょっと待て、お主の魂を確認してみてもよいかの?」
(殺された原因を確認してくれるのか?)
口で説明するよりもはやく状況が分かってくれそうだと思い、頷き魂とやらの確認を承諾する。
「えーっと、名前は齋藤糸恩
ごく普通の家庭に生まれ両親と姉の家族構成じゃな。高校を卒業後に就職し、20歳になった日に背後から刃物で刺されたと。刺した人物は……」
「そうか…お主はそれでいいんだな?」
プロフィールのように俺のことを調べていた神様が殺した人物とその原因を知り、戸惑うように聞いてきたが俺としては納得せざる終えないのだ。
「はい、問題ありません。」
「うむ、お主がそれでいいのなら儂から言うことはない。」
「それでは急ではあるが本題に入らせてもらうぞ」
先ほどまでのフランクな対応とは変わり真剣な表情に変わり予想していなかった言葉が俺に告げられた。
「お主に別世界へと転移してもらう」
「…はい?」
「あぁ、言葉足らずだったなお主は今回の人生を全うできず他者により命を奪われた。よってもう1度人生を与えられるのじゃよ」
(死んだものだからあの世に行き天国か地獄へ行くものだと思っていたがこれは予想をしていなかったな。)
「神様、2つほど質問があります。
まず元の世界、地球に行くことはできるのでしょうか?次になぜ輪廻転生ではなく転移なのでしょうか?」
「うむ。地球への転移は無理じゃ、そしてなぜ転移なのかは生物には決められた寿命がありその寿命を全うしたものが輪廻転生、何かしらの原因により人生を終えてしまったものは転移となるのじゃ」
「なるほど、分かりましたありがとうございます。」
ほぼほぼ予想通りの答えに納得し神様の話の続きに耳を傾ける。
「転移する世界はお主の希望に近い世界へ転移させるつもりじゃ。」
背中を向け両手を高らかに上げ、まるでお告げのように神様は問いかける。
「地球よりも科学が発展した世界!
剣と魔法の世界!
自然豊かな世界!
戦争が多い世界!
お主はどの世界を選ぶ?」
こちらに振り返り満面の笑みで神様は俺の返答を待っている。
俺はある願いのために決める世界はすでに心の中で決まっていた。
「あの世で」
「うむ!それではお主の望む世界へと………ん?」
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