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9 復讐の炎で焼いて


 街から離れた平原に着くと既に戦いは始まっていた。


 女神の加護を受け取った聖職者が18人に対しドラゴンは一体。普通に考えたらたかが人間が10人程度集まったところでドラゴンには一切適うわけもない。


 しかし、ここに集まっている者たちは普通とは違っている。


「行きますよ」


「はい!」


 刹那


 ――ゴオオオオ!!


 ドラゴンが炎のブレスを放った。


「聖術の結界を唱えなさい!!」


 対し聖職者たちは結界で完全に守った。


「凄いですね。女神さまの加護があればドラゴンに勝てますよ」


「そうです。私達は女神さまに愛されている選ばれし信者なのです。負けるわけがありません」


 ドラゴンが次いでブレスを放つ。


 ――ゴオオオオ!!


 だが女神の加護に守られた聖職者たちは傷すらつかない。


「攻撃しなさい!!」


「ホーリーボール!!」


 一人で10を超える光の弾が出現しドラゴンに放たれる。それを受けてドラゴンは苦痛の声を上げた。


「効いてます!! これなら勝っちゃいますね!!」


 楽にドラゴンに勝てている事実に調子に乗る聖職者たち、俺はそれを遠目で見ていた。


「少し力を与えすぎたかな。まあ、今すぐにでも回収できるからどうでもいいけど」


 本来なら今更聖職者たちはフルボッコにされて死んでいるはずなのに、俺のおかげで生かしてやってるんだ。


 さあて、いつ加護を消してやろうかな。


 ドラゴンがブレスが通らないことに怒り咆哮を上げる。そして、再びブレスを放つ。


 ――ゴオオオオオオオオオオ!!


 聖職者たちはもうすでに二回も守り切れているので余裕の表情だ。


「…………めんどうだし、調子に乗ってる今で良いか」


 指パッチンをして聖職者たちに送った加護の大部分を回収した。


 なぜ全てじゃなくて大部分なのか? そんなのは決まっている。そっちの方があいつらが苦しむからだ。


「私達は女神さまに愛さ――」


「あああああああああああああ!!!!!!!」


「ぎああああああああああああああ!!!!」


 焼けていく。


 聖職者たちの結界は突如消滅した。守るもののない身体はドラゴンの炎のブレスによって焼けていく。


「ああああああああああああ!!!!」


 加護によって優勢に立っていたが、今はただの人だ。全身の延焼を止めるすべはない。


 それを見て俺は胸の高まりを抑えられなかった。


「ははははははは、どうだよ!! これが力だ!! 俺の家族を殺したお前たちに与えられる天罰だ!! ゴミどもが粋がりやがって!!」


 ドラゴンの炎はこれでもかと焼いていく。


「苦しいか!? 苦しいだろうな! なんせ俺がお前たちの身体を再生させてるんだからな!!」


 死ぬ瞬間まで信仰している女神の寵愛を受けられるなんて最高だろ?


 俺はドラゴンのブレスが止み終わるまで聖職者の身体を再生させた。


 そして、ブレスが止んだ後はやけどを残したまま放置する。


「そこで死ぬまで苦しんでろ。でもおかげで街の人は皆避難が終わった。お前たちはそこで仲良く死ぬんだよ」


 さあて、私怨は終わった。なら最後の仕事をしますかね。


「ドラゴン狩りの時間だ」


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