多干渉
「咲子さん。想いは、ぶつけてみなければ何も始まりませんよ。
咲子さんは、処女というコンブレックスと女としてのプライドが混ざった人だなぁと思います。
咲子さんは、まだ誰からも抱かれてないという葛藤。
早く処女を捨てたいけど、適当な男に抱かれるのは嫌。
どうせなら、本当に自分が心から愛した人じゃないと嫌というプライド。
咲子さんは、自分から好きですと一方的に伝えるのは好き。
何故なら、そんなラブレターを書いてる自分がただ好きだったから。
しかし。
いざ、好きな人が隣にいる状態になると・・?
毎日、その状態のまま過ごしてゆくと、
「私は、本当にこの人が好きなのだろうか?」と、途端に冷静になり分析を始め出す・・。
そんな事したって、何にもならないのに。
彼が貴方の隣にいてくれた事に対して、何故咲子さんは感謝しなかったの?
男は、何とも思わない女の為に連絡も取らなければ行動もしません。金が絡まぬ限り!
片桐さんには、何がしら理由があって貴方の隣にいようとしていたのですよ。
この時に、貴方はいくらでもモーションかけるチャンスあったのです。
私は、何度もチャンスをさりげなく振ろうと目配せして合図したり。
わざと、幽霊としてお茶零して片桐さんの股間付近にかかるようにして、貴方に拭かせようとしたりしたのですよ!
なのに!貴方ときたら!
グズグズばかりしてるから、結局片桐さん!
一人で、脱衣場にいってズボン脱いで絞ってたじゃないですか!
・・っちゅーか・・!
お前ホントトロイんだっちゅーのぉぉぉ!
脱衣場いったときに、ついてけよーっ!
で!お前も「大丈夫?大丈夫?」とかいって、オロオロした女を演じてでもいいから!
そこは、プライド捨ててでも女演じろっ!
で、「私が拭いてあげる」だろーがっ!
で、普段のお前とは違うキャラに興奮しだす片桐!そこで、お前が迫るんだよ!
」
段々、月野マリアの人格が共謀なサリナの人格に変化しつつあった・・。
怒り出すと、マリアはサリナの人格へと変貌する。
あーあ。こうなると面倒くさい。
ノンストップで、激しい口調が止まらなくなる。
私は、ギャーギャー喚くマリアの台詞を「はい、はい。」と、業務的に返してゆく。
「てか!はい!はい!ばっか言いやがって!
本当に聞いてんのかよ!
適当に、はいはい言ってるだけじゃねーのかよっ!
あんたの為を思ってこっちは、忠告してんの!お前!聞いてんのかよっ!
はい!じゃねーよ!バーロー!」
と言ってきたので、「そうですね。」と言い返した。
元はといえば、最初から月野マリアがいなければ。
私達は、最初から二人きりだったわけだし。
自分たちのペースで、うまくいってたのかもしれない。
そのかわり、月野マリアがいなければ。
私は、こうして官能小説が書けなかったし成功することも出来なかった・・。
ああ・・どっちが良かったのだろうか・・。




