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処女、官能小説家になる。  作者: 星ナルコ
咲子 16〜20歳編
22/61

ビデオ初閲覧

月野マリアが、私の中に憑依する。


私は、この方法により次から次へと作品を世に送り出す事に成功した。


月野マリアが一部だけ、私に乗り移る。


憑依することにより、彼女の記憶を思い起こす。時折、彼女の過去の記憶からのトラウマなのか。激しいフラッシュバックに苛まれ、激しい頭痛を繰り返す。

トランス状態になりながら、私は筆をとり続ける。


勿論、片桐君と一緒に買った官能小説で表現方法も勉強したり。実際に、月野マリア出演のビデオも何本か見た。


しかし、月野マリアが出演した作品はどれもハードすぎて何度かトイレに駆け込んでは吐く状態だった私。


「おいっ、おめえ!だっ、大丈夫か?」と、片桐君に何度も背中をさすられ。水は、幽霊の月野マリアが汲んで運んで来てくれる。


「ごめんなさい・・。

咲子さん・・。刺激が強すぎて・・。


これは男性経験のある女性からしても、かなり気持ち悪いビデオだと思います。


「蛆虫ゲロンパ」は、全身蛆虫が這いずり回る中、ゲロ吐きながらオッさんに犯されるという意味不明な作品で。


まだ、単体(個人名でデビュー出来ること)でデビュー出来ずに、名前すら出して貰えない頃の作品です。


かなり複数の女性と共同で出演したのですが、殆どの女性が気絶しました。


一人は、途中で帰りたいと喚くし。

もう一人は、気絶したまま病院に担ぎ込まれるしで。


実は、この作品。

撮影に全くならない状態で撮った、不作だったんです。


私は、この頃「名前も知らない女たち」という企画AV女優のドキュメンタリーにも「ユメコの場合」という名前で登場していました。


その本を見た人から、更にオファーが殺到して単体でデビュー出来るまでに登りつめたのですが・・。」


月野マリアは、遠い目をして語る。


「実は、俺も。企画モノ見たの初めてなんだけど・・。


まさか、ここまで酷いと思わなかったぜ・・。

俺、マリアの事。

正直、好奇心とか同情心とかで見てた部分もあると思うんだ。


ごめん・・。


なんっつーか。

これ、見たら。

お前のこと、そんな風に見てはいけない気がしてきたんだ。


マリアはマリアで、この仕事に対して誇りももっていたし、体当たりなんだよな。


一生懸命取り組んでるんだなってのが、俺凄く伝わったんだよね。


だから、あんな迫力あるストーリーが描けるのかもしれないって。俺、そう思ったんだ!


しかし・・。


世の中には、ロクな事考えない奴がいるもんだ・・。


こんなビデオ、本当に出たいと思って出演してる子ばかりじゃないだろうし・・。」


片桐君も「ふぅ」と、ため息をついた。


「そうですね。


中には、女優やアイドルになれると騙されて出演している女の子も沢山いました。


連れて来られた先が、突然撮影現場で・・。


泣き叫んで暴れる女の子も沢山いましたけど、本当にエグい世界ですよ。


まぁ、好きでやってる輩もいますけどね。」


世の中には、私の知らない世界がまだまだ沢山あるんだ。


国語、算数、理解、社会。

体育。音楽。美術。


それから・・


学校では、絶対に教えてくれない世界が。

世の中には、まだまだ沢山ある。


知らなくても、ずっと幸せに暮らしていける世界だし。


いや、むしろ知らなくったっていい世界だ。


しかし、人間の好奇心とは。


見てはいけないモノほど、そそられてしまうのだろうか。


こんなゲテモノビデオ。

正直、見たくもないし、見たら見たでゲロ吐きたくなるだけ。


わかってる。

わかってるけど。


それでも。


月野マリアが、一体どういう気持ちで。どんな思いで、この仕事を続けてきたのか。


ワタシには、全く理解も真似も出来ない反対側の世界だからこそ、あえて知りたいのだろうか。


私の中に、イケナイ好奇心が芽生えだした・・。





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