表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界のだれかが紡いだもの  作者: 新巻鮭
1章・記憶の枷
7/54

降る雨の色は

 彼女が見た先を、僕も見る。

 さっきまでそこには小さくなったフォマルティアがあった。

 今は、鉛色の何かで埋め尽くされていた。


 どうやら僕は視力も異様によくなっていたらしい。

 その鉛色の何かのひとつひとつの形状、質量、軌道までもが手に取るようにわかる。


 どう考えても街の外――すなわち人類の勢力圏内――から放たれていて、しかもそのほとんどが僕らのいる地点を狙っていた。


「ね?」


 ナクアは絶望するどころか、むしろ楽しそうに僕の顔を覗き込む。


「な、ななな…………」


 僕は動揺のあまり、まともな返事すら返せない状態だ。


「こっち」


 ナクアが僕の手を掴む。

 そして、彼女に手を引かれるまま、僕は裏路地へと入り込む。


 弾着、そして爆発。

 さっきの仮面集団の弾幕がお遊びのように思える威力だった。


 僕らが隠れ蓑に使う建物と言う建物すべてが破壊され、しかも、その攻撃は当分休まりそうもない。


「これでも弱い方だよ」


 唖然とする僕を諭すように、彼女は事実を突き付ける。

 あまり知りたくない事実だった。


   ▼


 人類側の陣営では、街全体の生体反応がレーダーで監視されていた。


「エリートの動きは?」


「おおむね予想通りの動きですが……マズイですよ。変わり種の方が接近をはじめてます」


「合流されると厄介だねえ。どうされます、参謀殿?」


 まるで「その時は責任取りたまえよ、キミ」とでも言いたげなイントネーションで、この参謀殿(隊 長)に訊ねるのはこの隊の副隊長だ。


「作戦続行だ。砲撃継続。エリートは無視、変わり種を叩け。アレが無くなるだけでも後は随分楽になる」


 彼は終始落ち着いた口調で、参謀として、隊長として、指示を飛ばす。


この小説の1話分、少し短いかも。とか思い始めました。

増やした方がいいのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ