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世界のだれかが紡いだもの  作者: 新巻鮭
1章・記憶の枷
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踊る人形の群れ

 飛びかかったナクアに対する仮面連中の対応は早かった。


 統率のとれた動きで、火線をナクアの華奢な体に集中させる。


呼び出しアクセスを確認。Gr‐Tゲラート通常起動》


 しかし、彼女の力はそれの遥か上を行っていた。


 弾が放たれる直前、ナクアが立ち止ると同時、彼女の手が鋼鉄のグローブに覆われる。

 弾着直前に、彼女が右腕を突きだす。


 ――――そこからは何が起きたか、認識できなかった。

 強烈な風と、大量の砂埃が舞い上げられたことは理解できたが、それだけだ。


 砂煙が収まった時、僕は結果だけを知る。


 弾丸、砲弾は彼女にただの1発も命中しておらず、仮面の連中は消え失せていた。

 そして、何かの衝撃にやられたのか、僕から見て、ナクアから向こう、道路は弓なりに陥没し、道路両脇のビルはあり得ない形にひしゃげていた。


 ――――およそ、人間業とは思えなかった……。


「分かってもらえた?」


「う…………うん」


 彼女が何をしていたのか、それはとても単純だった。


 彼女は戦っていたのだ。自分の同類と。


「君は……人類を守るために、戦ってるんだね……」


「え…………?」


 僕がそう言うと、彼女は大層意外そうな顔をした。

 まるで、「どうして人類なんかを守らなきゃいけないのか」とでも言い出しそうな表情だ。


「違うよ、人類のためじゃない。ただの私怨」


 彼女は自嘲気味に言う。

「自分はそんな高尚な人間じゃない」とでも言いたげに。


「ただ、フォマルティアの思い通りにさせたくないだけ。アレの邪魔をしたいだけ。それにね…………」


 ナクアは突然、空を仰ぎ見て、言葉を続ける。


「人類が、私に友好的だなんて言った覚え、無いよ?」

ナクアさんのキャラがいまひとつ定まらない今日この頃。

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