報告書の書き方
「えー、結果として、何をするでもなく、エリートと変わり種は全滅。残った一般も現在掃討中です」
どう報告したモノか、と悩みつつも我らが参謀殿は起こったことを述べてゆく。
《つまり、応援は必要ないと?》
「そうは言っておりません。伏兵がいる可能性もまだまだ否定できませんからね」
今回の荒唐無稽なレーダー表示。
正直信頼に値するとは思えない。
「あと、生体レーダーの新品を用意していただきたいのですが……」
《レーダーのかね? まあ、構わんが》
「お願いします。今回、アホみたいな表示が飛び交ってたもので」
アホみたい、と評したが、本当にアホみたいな表示であったのだから仕方がない。
表示が消えたり現れたり、現れたかと思えば、強烈な速度で画面外まで吹っ飛んだり。
正直、やってられなかった。とは、作戦終了後の通信士の談だ。
《では、用意させよう。報告は以上かね?》
「ええ」
《そうか。では、掃討戦の健闘、と言うのも変かな? とにかく、頑張ってくれたまえ》
「はっ!」
通信が切られた。
即席の司令部に静寂が戻る。
「今回も助けられた。ということかな?」
「そうだな」
「お礼状でも書くかい?」
「却下だ」
その発言からは、自分たちの国は自分たちで守る、と言う、彼の強い意志の表れであった。
だが、副隊長は思う。
この人は、勇気と無謀をはき違えている。と。
しかしその理想、馬鹿げてると思いつつも、嫌いになれない自分がいることを、副隊長は認めていた。
さてさて、一応ここで3章終了です。
人間関係がめんどくさくなってまいりました。