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世界のだれかが紡いだもの  作者: 新巻鮭
3章・底無し沼の中の片足
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消える/消えない/消えろ

 Lm‐Iを展開したんだろう。

 こちらもLm‐Iを展開する。

()()を確認。Lm‐I通常起動》


 時間差からして、使用限界の到達は向こうの方が早い。

 互いに互いを認識できないこの状態、どこでLm‐Iを解こうが、リスクが付きまとう。


 さて、どう出る?


 視覚情報は役に立たない。

 味覚や触角はそもそも接触しないと始まらないから、役に立つのは聴覚、嗅覚か。

 嗅覚はあてにできないけど。


 僕は耳を澄ませる。

 まったくだしぬけに記憶の断片が戻ってきた。

 100キロ先の小さな音まで聞き分ける設定を持った、3分間しか活動できないヒーローの番組だ。


 ん? ちょっと待て。

 …………100キロ先の音が届くのは、大体5分後。

 3分間しか動けないヒーローには宝の持ち腐れじゃないか。


 耳を澄ませつつ、関係ないことを考えながら、忍び足で移動する。


 Lm‐Iの使用限界はおよそ2分だ。

 さっきも使っていたのだろうから、すぐに切れるはず。


《Lm‐I使用限界到達。強制武装解除》


 結局相手の気配を感じ取ることもできないまま、路地裏で、Lm‐Iは解けた。

 情報素子の中で、生体反応は消えたまま。


《レイト、こっちは片付いたからそっちに向かうね》


 なぜ反応が消えたまま?

 いくらエリートが俊足とは言え、2分以内に移動できる場所と言えば、限られている。

 何か、何かが間違っているのか?


 ナクアからの通信に返事をする気も起きないほどに、僕は焦っていた。


 支給品でないとするなら――――。


()()を確認。Gr‐T通常起動》


 ――――確信した。

 僕は背後の()()()()の空間にGr‐Tを叩き込む。


 …………だが、すこしだけ、おそかった。


 僕が目標を捕えるより先に、鋼の拳が僕の腹にねじ込まれていた。


 身体が凄まじい勢いで跳ね上げられたところまでは理解できた。

 そこから先は、完全に意識の外の出来事となった…………。

昨日のデータ損失にめげつつもがんばりますよ。


ふ……データが消えただけじゃないか。

執筆中小説がすべて消えようとも、俺はやるぜ。

的なやる気を出してる余裕はないです。

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