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世界のだれかが紡いだもの  作者: 新巻鮭
3章・底無し沼の中の片足
24/54

戦支度

「大規模な転移を確認しました。『連中』のご来訪です!」


 タイミングとしては妥当なところだ……しかし、なぜ? と副隊長は思う。


「どうしてここに来るかなあ?」


 この場は先日襲撃があったばかりで、様々な条件が合わさり、敵を撃退できたばかりの場所だ。

 一部住民も戻り始めている


「すぐに部隊を集結させろ、打って出るにも、守りを固めるにも今の状態では不可能だ」


 そんなことは分かってるよ、と内心毒づきながら副隊長は指揮系統の構築を行う。


「レーフェル隊は都市外縁部で待機。連中を外に出すな。自走砲隊も同様だ」


 先日の戦闘の疲労はほぼないとは言え、機体の方が万全とは言えない。

 変わり種が突っ込んできただけでレーフェル隊は壊滅するかもしれないな、と副隊長は予測する。


「援軍は?」


「付近のパトロール部隊が応援に駆けつけてくれるそうです。所要時間は10分。部隊編成は機動装甲が12です」


 なかなか心強い、と副隊長は思う。

 12機、すなわち3個小隊だ。


 動けるのがレーフェル隊だけの現状と比べれば、単純計算で機動装甲の戦力は4倍にまで跳ね上がる。


「他の援軍は?」


「時間がかかります。本部からは3時間以上はかかります」


 前回よりは待たなくていいかもしれないな、とは思うものの、自分たちがいま相対しているこの街には、間違いなく、化け物が潜んでいる。


 人の皮を被った、化け物が。


「今回、『彼ら』の応援は無いよねえ」


 そう言って、副隊長は情報素子に記録されていた画像を自分の眼前に表示する。

 前回、現れたエリート2人組。敵をなぎ倒すだけなぎ倒し、どこかへと消えて行った、あの2人。


 現れないことは前提で進めるとしても、あの中には敵対心旺盛なエリート殿がいらっしゃることだろう。


 相対した場合、勝てるか?

 変わり種すら、赤子の手をひねるように倒して見せたあのエリート、それも3人を、機動装甲で倒せるか?


 あくまで表面上は冷静を装いつつも、副隊長は不安で仕方がなかった。

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