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世界のだれかが紡いだもの  作者: 新巻鮭
2章・現実の重石
21/54

焼け焦げた日常の副産物

 その日は結局何事も無く終わった。

 僕は、ベッドをセットした後、露店セットを持ったナクアを駅まで迎えに上がり、そして今――――シャワーを浴びていた。


 今日かいた汗を流し、さっぱりした僕が、脱衣所に戻った時だった。

 ――――悪夢が始まった。


 僕は違和感を覚えた。


 そこには、僕が今日着てた服と、寝間着として、今日から使うはずだった古着が置いてあるはずだった。


 しかし、そこには、いま言った物の何一つとして、置いていなかった。

 その代わり、目の前にあるのは、どう見ても女物の――――昼間ナクアが僕に勧めたエプロンドレス。


 下着が男物なのが、せめてもの救いか…………救いにもならないけど、その隣にある物体の前には。


「ナクア! ナクア!」


「どうしたの?」


 にやけた声の返答。確信犯だ!


「僕に何をさせたいのさ!?」


「女装?」


 いや、なぜに疑問形。


「ふふふ、早く服着ないと湯冷めしちゃうよ?」


「ぐ……くぅ…………」


 し、仕方あるまい! 背に腹は代えられん。

 僕の服はどうせ、国境ドアの向こう側だ。


 腹を括り、僕はエプロンドレスに袖を通し…………。


「――――って、ふざけてないで僕の服返してよ!」


「元々私のだよ? 盗品だけど」


 そうだった! でも、いまそんなことは関係ない。


「そろそろ、本気で怒るよ?」


「怒ったらどうなるの? 裸で出てくるの?」


 ……………………そうでした。

 今の僕は、パンツ一丁の素敵スタイルでした。


 羞恥心に勝てない僕はここから出られない。


 選択肢は2つ。

 パンツ一丁の変態さんになるか。

 女装した変態さんになるか。


 …………。

 ……………………。

 …………………………………………。


「…………ありゃ、意外と似合ってない」


 出てきた僕に対する、ナクアの第一声がそれだった。


「何だかガッカリ。着替えて来て」


 そう言って、僕の手に、本来着るはずだった寝間着が渡される。


 言うだけ言い、振り回すだけ振り回してくれたこのお嬢さんは、暖房の入っているリビングへと消えて行った。


 残されるのは、エプロンドレスを着込んだ、変態男子1名。


「…………。……………………。…………はぁあああああ!?」


 何このオチ!?

2章はここまでです。

章タイトルと内容が一致してないような気がしますよ。

それ言うならサブタイもだけど。

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