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世界のだれかが紡いだもの  作者: 新巻鮭
2章・現実の重石
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反省会の重要性

「今回の戦闘結果は上々なモノだったようだな」


 大隊長が破壊の限りを尽くされた街を眺め、うそぶく。


「ええ、今回、エリート2名の離反もあったようで、おかげで我が方の被害はほとんどありません」


「例の新型は…………なかなかに良好な性能だそうじゃないか。なぜああまで酷評する?」


「はい、エリート相手ではあの程度の性能差、まったく意味がありません。数を揃えやすい分、雑魚の方がマシでしょう」


「強く安く、か。それが兵器の理想だが、な」


 現実はそうならないことを、大隊長はよくわかっていた。

 そして、目の前の部下が言うことが正しいことも理解していた。


「さて、これが、エリートの暴れ回った後かね?」


 弓なりに陥没したアスファルト、異質な方向へとひしゃげたビルの列。

 ナクアのGr‐Tが放たれた跡。


「ヤツらの使う特殊装備の跡でしょう。被害状況から察するに『手甲』ですね」


「こんなものと相対しておるのだな。前線に立つ兵士は」


 こんなものをまともに食らえば、機動装甲だろうと戦車だろうと、あっという間にバラバラにされることだろう。


 だが、味方になれば…………これほど心強い味方は無い。


「たしか、離反したのだったな。この土地に現れたエリート2名と言うのは」


「ええ」


「味方にできないものかな?」


 うまくいけば、強力な味方を得るだけでなく、連中の正体を暴く足掛かりとなる。


「映像データも残っておったな。解析させて、個人特定もさせろ。きわめて内密にな」


 大隊長はこう考えていた。

『連中』は確かに正体不明の拠点を使っているが、さすがに裏切り者に使わせるような拠点は無いはずだ。

 だから、探し続ければ、いつか必ず、捜査の網に引っ掛かるはずだ、と。


 だが、捜査していることを気取られてはならない。

 警戒されてしまえば、接触は困難を極めるだろう。

 それを避けるためには、行動を慎重に、密にする必要がある。


「さて、どのような結果になるか…………」

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