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世界のだれかが紡いだもの  作者: 新巻鮭
2章・現実の重石
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言い訳と弁明と言い訳と

《つまり、『ヴェイルゲズ』では、不満、と。そう言うことかね?》


「はい、この程度では、あの化け物どもには到底太刀打ちできません。現に撃破されてますしね。

 そもそもこの機体、コストからしても、量産には向いておりません」


 先程から我らが参謀殿は通信機の先、技術本部長相手に『新兵器』の報告を行っている。


 その新兵器が配備されたのは変わり種と充分量交戦したオブリデアノ隊だったので、充分な評価用データは一通りそろっている。

 結果として、新兵器は撃破されてしまったのだが、その性能に対する副隊長の個人的な感想は、驚き、の一言であった。


 従来の機動装甲を大幅に上回る反応速度、それに伴う機動力の向上、バッテリーの容量増加、軽量化。

 他にも、パイロットの生存性、緊急退避機の信頼性向上など、緊急時における安全性も充分な配慮がなされている。現行技術、しかも量産機でこれ以上を望むのは酷と言うものだ。


 そもそも、撃破されてしまったというのも、パイロットが慣熟していなかった。この一点に尽きるだろう。


「以上から、この機体の量産は取りやめた方がよろしいかと」


《もっと安く、強く、と言うことかな?》


「ええ」


 先ほどから弁舌をふるっているこの参謀に多少嫌気がさしている自分がいることを、副隊長は認めていた。


 なるほど、彼の言うことはもっともだ。強く、安い兵器があればこれに勝るものはない。

 彼が理想とする、エリートを圧倒できるような夢物語のような兵器ならなおいい。


 だが、現場は、戦場は待ってはくれないのだ。

 自分たちは、明日、強力な武器を得るよりも、今日、普通でいいから武器を得ることこそが重要だ、ということを、彼は分かって言っているのだろうか。


《参考にさせてもらおう。上層部がどう判断するかは別だがな》


 この人も、分かって言っているのだろうか? と副隊長は思う。

 最前線に立つ自分たちからすれば、技術本部長である彼もその『上層部』の一員に他ならないことを。

あっちに行ったり、こっちに行ったり、ややこしいですね。すみません。

と言うか、今気づいたけど、副隊長が主人公格になってるような……。


…………ま、いっか。

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