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第24話『天候術師と魔性の女シズク』


 「間違いが……起こったのか……!?」


 寝ぼけていて、記憶を思い出すので精一杯だ。


 衣服が乱れたシズクが、僕の横で寝ていた。


 許されない事態に僕は度肝を冷やしたけど、記憶なんて直ぐに思い出せたので良しとしておこう。


 結論から言うと、シズクがお馬鹿さんなだけなのだからな。


 ありもしない間違いなんて起こる筈がない。


 これでも僕は男なんだ。


 シズクは僕の愛弟子だが、こうも真横で胸元がはだけていたら目のやり場に困る。


 大きいなとか、触りたいなとか思ったけど、そんな感情を捨て去って僕はシズクに毛布を掛けて上げて、再度冷たく硬い床で寝ることにした。


 「うわぁー!服がはだけてますー!」


 「……何だよ、うるさいぞシズク。寝れないじゃないか……」


 「師匠、も、も、もしかして私を襲いましたか!?」


 「寝言は寝て言え。僕の安眠を邪魔するな」


 やっと寝つくことが出来たかといえばこれだ。


 襲う訳ないだろうに。


 このままでは、睡眠不足でまたぶっ倒れてしまう。


 というか、勝手に僕の部屋に入ったのはシズクじゃないか。


 どうして僕が気を使って、冷たい床で寝ているんだろう。


 これじゃ、部屋を二つ取った意味がない。


 せっかくの柔らかいベッドで就寝出来ると浮かれていたのに、うるさい上にお決まりの勘違いだ。


 頭がどうにかなりそうだったよ。


 「襲って……くれなかったんですか?」


 「上目遣いで甘えたってダメだ。明日は王都に行くんだぞ。僕は床で我慢してやるからしっかり眠ってくれ」


 「ケチですね……。分かりました。今日のところは勘弁してあげますよ。師匠、おやすみなさい!」

 

 こりゃ、身体を痛めるな。


 まぁ、シズクが身体を痛めるよりかマシか。


 甘やかしている訳じゃないんだけど、結局の所甘やかしているのが事実です。


 ごめんよシズク。


 もっと厳しい師匠になってみせるから不出来な僕をどうかお許し下さい……。


♦︎♦︎♦︎♦︎


 「ねぇ、クウ。これって……どういうこと?」


 「違うよテラス!シズクが僕の部屋へ勝手に侵入したんだ!」


 「シズクさん、なんて下着姿なのですかー?」


 宿を出る時間になったのだろう。


 あれから僕は、一睡も出来なかった。


 シズクが部屋に居なかったことから、急ぎで僕を訪ねたんだろうけど状況が状況だ。


 これでは、万に一つも僕に言い訳の余地はないだろうね。


 これ、僕が悪いんですか?


 それどころでは無いってのが、正直言っての感想だ。


 シズクは服という服を脱ぎ去っていて、下着姿で寝ていたんですからね。


 僕が寝る頃には、服を着ていたはずだが……。


 あー、ダメだ。


 目覚めたシズクは、きっとトンデモない勘違いで僕を陥れるのだろう。


 「え……。何で私は服を脱いでいるんですか師匠!まさか、師匠とまぐわいを!?」


 「シズクの寝相が悪いからに決まっているだろ!」


 暫く、テラスは僕とお話しをしてくれませんでした。


 ──誤解が解ける頃。


 ──僕達は流星都市スターダストの王都まで無事に辿り着くことが出来たのです。

 


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