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第23話『天候術師、流星都市に降り立つ』


 「テラス……。流星都市ってのはまだ辿り着かないのかい?寝てるイズナをおぶって歩くのは流石に疲れたよ……」


 「まだ後半日は歩くわよ。泣き言言ってないでサッサと進むわよー!」


 悪魔だ、この女。


 休みも無しでどれだけ歩いたと思っているんだよ。


 体力に自信がないって事ぐらい、テラスは分かっているはずなんだけどね。


 この時のテラスは、誰よりも魔女らしかった。


 僕の苦労も知らずか。


 シズクに至っては旅が楽し過ぎていてハイになっている。


 僕を見てくれよ。


 今にでも死にそうじゃないか。


 気を使って、休もうとでも言ってくれよ我が愛弟子。


 「師匠、どうしてヘバってるんですか?」


 「見たら分かるだろ。イズナを背負ってどれだけ歩かせるんだ。少し休まないか?」


 「師匠、レディを抱えて弱音を吐くだなんてダサいですよ?」


 「だ……ダサッ……」


 僕には味方がいないらしい。


 このままイズナをぶん投げてしまおうか。


 そんな邪心を抱いてしまいそうな程でした。


 それからというと、僕達は一日中歩いている筈なのに夕暮れすら訪れていないことを察したのです。


 やはり、流星都市に近づいているんだろうね。


 まだ情報が揃っている訳でもないし、迂闊に目立つ行動は避けておこう。


 この夜が訪れない異常な状況だと、魔物が絡んでいる可能性だって充分にある。


 だけど、ただの魔物がこの状況を作り出すことが可能なのだろうか……。


 不安だらけの旅になりそうだ。


 「さぁ、着いたわ。流星都市スターダスト、流星群が拝めることの出来る街よ!」


 「……至って普通だね。よく見かけるような風景だけどシズクはどうだい?」


 「師匠、魔力の痕跡はありません。今は夜のはずですが、やはり日中みたいですね。魔物説が有力かも知れないですが……。そんなことよりお腹空きました!」


 「ご飯ですかー!食べるのですよー!」


 今起きるのですかイズナさん。


 もっと早く起きて下さると、僕はとっても嬉しかったのですがね。


 食欲に釣られて起きるなんて……。


 そんなことなら、エサの準備でもしておくんだったと後悔してしまいます。


 僕の労力を返してくれ!


 イズナのおかげで僕は、最愛の愛弟子にダサいとまで言われたんだ。納得もいかないよ。


 みんながさっさと宿を探す中、僕は疲労で震える膝を庇いながら着いて行くのに必死になっていたのでした。


 「凄いのですよクウ様! 寝床がフカフカなのですよ!」


 「確かに凄いね。ここまで出来の良い宿はあまりない。しっかりと旅の疲れを癒せそうだ」


 「そうねクウ。明日は王都の方まで出向いて、国王と話さなきゃならないからしっかり休むのよ。また、戦闘にならなきゃいいんだけどね……」


 「大丈夫ですよテラス。私もいますし、最強の師匠だっています。どんな敵が来たって返り討ちですね!」


 「戦闘になる前提で話すな!少なくともそれはないだろうね。王都の中は安全だろう?少なくとも裏切り者がいなければだけどね」


 「まぁ、クウの言う通りね。裏切り者がいない自信がないと、国王は王都まで私達を呼びつけたりしないでしょう。万が一……私達に危害が加わるようなら、エルフ族が黙っちゃいないだろうしね」


 そこまで計算に入れていたのか。


 テラスは、やはり恐ろしさを兼ね揃えた政治の天才だろう。


 だからこそ、国王の依頼も受けたんだろうね。


 どこまでがテラスの計画の内何だろう。


 計り知れないな……。


 恐らく、深夜の時間帯に差し掛かった頃合いに僕達は明日に向けて就寝することにした。


 部屋は二つ。


 男である僕が一部屋と、テラス達が一部屋を借りて速やかに僕は部屋に篭る。


 一人の時間も欲しいのです。


 絶対にくつろいでやると誓ったんだ。


 何者にも邪魔をされてなるものか!


 「シズク、初めての夜なんだから分かってるな?僕はこれから寝るんだからそっとしといてくれよ?」


 「初めての……夜……!?」


 よし、しっかりと釘を刺しておいた。


 快適な睡眠が今日こそは取れそうだ。


 寝床に転がり、うたた寝をしていると、何者かが僕の寝床へ潜り込もうとしていたのが感覚で分かったのです。


 その犯人に僕は心当たりがあるようで……。


 「──シズク、なにしてんの?」


 「し、師匠!なにしてんのはあんまりでしょう?初夜だから分かってるなと言ったのは師匠じゃないですか!その……私だって恥ずかしいのですよ。これが初めてですから……」


 「この馬鹿弟子!何を勘違いしてる!初夜だなんて言って覚えないぞ!?心臓が凍るかと思ったよ!」


 言い争いをしている内に僕とシズクは、疲れ果てて眠ってしまいました。


 どうしていつも僕は、こう不幸に見舞われるのだ。


 ──国王との話し合いは、上手くいくんだろうか。


 ──僕はいつものように、睡眠不足で倒れそうになるのだろう。



 

 

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