第22話『天候術師と流星都市スターダスト』
「久しぶりに国へ戻ったね。お家みたいで落ち着くよ……。疲れ過ぎて、どうにかなってしまいそうだ……」
「師匠は大活躍でしたもんね!私はあまり活躍出来ていませんでしたから、修行を積んで今以上にお役に立てるように頑張ります」
「謙遜することないですよ。シズクの上級魔法が無ければ、ゴブリン・ロードを巣から引きずり出せなかったんだからね。これでまた一つ、成長出来ましたね」
合衆国サンライザに帰還した僕達は、今は王室で休息をとっている真っ最中だ。
エルフ族との同盟を無事に結ぶことが出来たし、今ある問題は全て解決した訳なんだけど、これからテラスはどうするのだろう。
テラスとイズナの姿も見えないけれど、同盟をしたことで溜まっている仕事を整理しているのかもしれませんね。
僕はまだ怪我が治っていないし、暫くはゆっくりと休暇を満喫出来そうです。
「師匠、言い忘れていたのですが私ヒールの魔法も使えるんです。昔、幼馴染に教えて貰ったのですが試してみてもいいですか?」
もっと早く教えて欲しかったな。
骨折したまま帰路に着くのは大変だったんだ。
でも、シズクのことだし、自信が無かったと言えばそれまででしょう。
その厚意に免じて、甘えるとしますかね。
「助かるよ、僕達にはヒーラーがいないからね。もし出来るのならお願いするよ」
「はい! 精一杯やらせて頂きます!」
【ハイ・ヒール】
──はぁぁぁぁ!?
魔術の詠唱を間違えてはいませんか、シズクさん。
それは、上級よりも更に上。
最上級聖魔法の一つなんですけど、一体何が起こっているんだかサッパリだ。
水魔法専門の魔法使いだったはずのシズクが、聖魔法まで扱えるなんて僕自身、正直言って信じがたいな。
本来、魔術師は一つの属性しか扱えない。
稀に他属性を扱える魔術師が誕生するらしいが……。
その者達は皆、賢者以上の魔術師となっている。
シズクはというと、恐らく光属性の魔法にも適正があるんだろうね。
僕の怪我なんか、あっという間に完治してしまった。
これでは、水使いの女神官じゃないか。
その類い稀に見る才能に、僕は何度痛めたか分からない頭を抱える羽目になりました。
「……成功……ですか?」
「最愛なる愛弟子よ、君は何故こんな芸当が出来るんだ……。驚き過ぎてなんて言ってよいのか分からないじゃないか」
「いけません師匠!結婚はまだ早いと言いますかぁ……。それは禁断の恋になってしまいます。教え子にそんな淫らなことをしてはなりませんよ?」
「結婚の話しなんかしてないぞ!まだその癖治っていなかったのか!親愛なる愛弟子と言ったんだ、勘違いするんじゃない!」
若干拗ねたような顔つきだが、僕はテキトーに受け流すとしよう。
そんなことよりも、どうしてシズクはこんなにも才能に溢れているのだろうか。
魔術学校には……勿論行っている訳ないな。
適性検査だってあるし、多属性を扱える魔術師なんて他の魔術師連中が放っておくはずもない。
カミスイ村唯一の女の子ってだけあって、特別なのかもしれませんね。
例えそうだとしても、シズクは力加減がなっちゃいないんですよ。
すぐ魔力切れを起こして、倒れてしまいますからね。
そういう所とも、僕はシズクと寄り添い指導して行かなきゃならないな。
光属性魔法の基礎をシズクに教え込もうとした時、足早にテラスが僕に駆け寄って来た。次は何でしょうか……。
「今すぐ、ここを出発するわよ!」
「クウ様の力がいるのですよー!」
「ちょっと待ってくれ。訳ぐらい話してくれよ。一体どうしたんだい!?」
「流星都市スターダストに向かうわよ。天候術の力を借りたいみたい。さっき手紙が届いたわ。この好機、逃す訳にはいかない!」
流星都市……と言われても僕にはピンと来なかったな。
星が綺麗なところなんでしょうか。
気になってしまいますね。
エルフの後ろ盾のおかげで僕達の噂は瞬く間に広まっていたのだろう。
その噂を聞きつけて、我が国サンライザに頼ってきたはずだ。
果たして、その噂は良い噂なんだろうか……。
否定も、肯定すらもしない、そんなテラスを信用したくない自分がいます。
「そうよね、理由ぐらい知っておかないと後々困るし話しておくわ。流星都市スターダスト……何の変哲もない都市何だけど夜だけは、特別な場所になるのよ」
「流星都市って言うからには、やはり星が関係するんですよね。天体観測でも出来るのですか?」
「それも出来るけど、そんなものは他所でも出来るわ。ここにしかないもの、それは【流星群】よ。それも毎日流れてる」
「そりゃ凄い。さぞ美しいだろうね。まさかその流星群に何か?」
「そのまさかよ。流星群は夜に降り注ぐらしいけど、困ったことにここ最近、流星都市スターダストは夜が訪れていないらしいのよね……」
確かに、そんな状況はあり得ない。
突如として、自分の住む街から夜が来ない生活が続けば住みづらくもなるというものです。
何者かが裏で糸を引いているのは間違いなさそうだし、助けを求められているなら、行った方が今後の関係上絶対に良いだろう。
──これより、夜を失ったとされる流星都市スターダストの状況把握のため、僕達は手紙の差出人である国王の元へ、再度旅に向かうことにした。
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