ともだち
「大きなノッポの古時計って
どのくらい大きいんだろうね」
健太が言ってきた。「そりゃ大きくてさらにノッポだからな、先生よりは大きいだろうな」
そう返すと「どうして?」と聞いてきた。
聞かれても困る。僕は考え込んでしまった。
なぜなら何となくそう思っただけで
特に根拠なんてないし証拠もない。
すると健太が「俺はビルよりでかいと思う」
と言い始めた。待て、僕はまだ考えている最中だ。
しかも健太よ、僕の説より現実味がない上に、
そんな時計が存在した歴史もない。だから僕は
「どうして?」と聞いた。意地悪そうな声に
なっていたかもしれない。
だけど健太は答えてくれた。
「誰が見ても大きくないとだめだからね」。
だから返した「それだとノッポとは言わないよね?」
健太は少し考えた後、「ノッポってなに?」と一言。
何もわかっていなかった。
「いやノッポっていうのは」言い出した後、
僕はノッポの定義が分からなくなった。
二人はポカンとしていた。