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紫乃の言葉世界 ③  作者: 紫乃
4/5

紫乃の言葉世界 男と女

人それぞれの情景を浮かび出させる


紫乃の文字使いがまた妙味。

  《 片想い 》



灼熱に 体の組織が、

ドロドロに崩壊して、

唯一残った左の眼球。



私は少しずつ、

蒸発しながら流れて行く。



日が暮れて、

辿り着いたのは夜の海。



波に浮かび、

その揺らぎに漂うドロドロの私。



ふと左の眼球で空を見上げれば、

月が微笑む。



ドロドロの肉塊の姿の私を、

ありのまま受けとめて、

静かに優しく微笑んでくれた。



左の眼球は、

月を見つめて涙に潤う。

そして月に恋をした。



肉塊に半分埋もれながら、

波の揺らぎに合わせて揺らぎ、

私の左の眼球は月を見つめる。

見つめ続ける。

想いを語る口を失ったから、

唯ひたすら月を見つめる。



もう二度と、

夜明けが来ない事を祈りながら。


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