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十五階層のボス

「十三体目、魔力も結構使ったね。」

私は、十三体目のサイクロプスを倒した所で、引き返そうか迷っていた。

「ボスがいる場所の目星はついたけど、どうしよう。」

このまま進んでボスを倒すか、一度引き返すか。

おそらく、十五階層からフロアボスがいる。

フロアボスを倒さないと、次の階層に行けない。

けど、半分近くまで減った魔力で勝てるのか?

難易度が飛躍的に上昇した、十五階層。

ボスの強さも向上してるはず。

「もったいないけど、帰還石もあるし進むか。」

帰還石

道中で、たまたま転がっていたので、拾っていた。

売れば、億単位の値段がつくこともある、帰還石。

貴重な上に強力なので、高値で取引されている。

私は、ボスのいる場所に全力疾走で向かった。










「居た」

霧の壁に覆われた空間の中心に、五十メートルはありそうな巨大のサイクロプスが居た。

私は、少し休んでから挑むことにした。

麦茶を飲んだり、おにぎりを食べたあと。

私は、霧の壁の内側に入った。

霧の壁は、大きな亀裂があり、そこが入口になっていた。

私が中に入ると同時に、亀裂が閉じてしまった。

「逃がす気はないと…」

私は、十字剣を構えて備える。

すると、サイクロプスは雄叫びもあげずに、棍棒を振り下ろしてきた。

「っぶな!?」

紙一重で回避すると、棍棒に乗って腕を目指す。

しかし、当然振り払われる。

アイツに爆氷での固定が有効とは思えない。

なら、一つしかない目を潰すか。

私は、数撃ちゃ当たる戦法で、氷塊をサイクロプスの顔に向けて放つ。

しかし、

「そう簡単にはいかないか…」

棍棒を盾にして防がれた。

どうにかして、顔まで近づく方法を考えないと、目を潰すどころか、背骨を攻撃出来ないので、致命傷を与えられない。

私にも、天使の翼があれば…

ん?

背中に変な感触を感じた。

そして、私はそれを手足のように動かせる。

「って、ヤバイ!!」

私は、飛んで回避する。

そう、“飛んで”回避した。

「飛んでる…飛んでる!」

私は、背中の翼を羽ばたかせて、飛んでいるのだ。

これなら、顔まで届く!

しかし、サイクロプスの攻撃が飛んでくる。

「チッ、感動する時間くらいくれよ!」

翼の機動力で攻撃を回避する。

「取り敢えず、指詰めさせて貰うよ!」

私は、サイクロプスの小指に斬りかかる。

しかし、

「かった!?」

まるで、岩に剣を振り下ろした様な硬さだった。

もちろん、一般人の筋力で。

「そのままじゃ駄目か…なら!」

今度は、十字剣に魔力を流して切ってみる。

すると、

「ブロック肉を切ってるみたい…」

途中までしか剣が入らず、切り落とせなかった。

小指を切ろうとするだけでこれだ、

「勝てないね…」

私は、帰還石を取り出す。

「せめて、情報くらいは持って帰るか。」

久しぶりに、金眼の最上級鑑定を使用する。

『名前:グモラ

種族:巨人族・単眼巨人サイクロプス

スキル:なし

状態:アンデッド 封印

封印:全ての力を50%失う        』

私は、信じられないものを見た。

あれで、本来の半分の力しか使えないのだ。

勝てるはずがない。

「ッ!?しまった!」

サイクロプスは、攻撃体勢に入っていた。

今すぐ帰還石を使用しても間に合わない。

私は、全力で飛んで逃げようとするが、

「ぐぅ!」

避けきれず、両足に棍棒が直撃した。

また、その衝撃で地面に叩きつけられた。

「痛い…」

私は、全身の痛みを堪えて帰還石を…

「帰還石がない!?」

さっきの衝撃で落としてしまったらしい。

身体を起こして探せば、そう遠くない場所に落ちていた。

見上げれば、サイクロプスは私のことを見下している。

「そうか…」

私は、身体を引きずって帰還石の近くまで向かう。

出来るだけ、足掻いているように見せかけて。

サイクロプスの笑い声が聞こえる。

「よし、この調子なら…」

帰還石はすぐそこだ、ここなら…

私は、魔力を全身に巡らせて、肉体を強化する。

特に、腕を重点的に。

そして、素早く帰還石を回収し、砕く。

すると、帰還石から光が漏れ出し、私の身体を包み込んだ。









「ここは…」

見渡すと、試練の界の入口だった。

十字剣を見つけた部屋、といった方が分かりやすいか…

安心で、全身の力が抜けて…

「いたたたた!?」

そのせいで、地面に叩きつけられた痛みが、私を襲ってきた。

「くそー!」

私は、負けたことに苛立っていた。

ついでに、全身の痛みにも。

「グモラだっけ?絶対八つ裂きにしてぶち殺してやる!!」

でも、試練の界で八つ当たり…もとい、レベリングは出来ない。

他のダンジョンで八つ当たりするか…レベリングね?

「クララだっけ?いや、違うな、絶対違う。」

あのデカブツがクララな分けない。

『クララが立った!』であのデカブツが立ち上がったら…

「フフ、あぎぃ!?」

思わず笑ってしまい、気を抜いた事で痛みに襲われた。

「取り敢えず、強くなってクなんちゃらを、倒す!」

私は、立ち上がろうとして、

「そうだ…足は折れてたんだった。」

回復魔法で足を治して、立ち上がる。

そして、私服に着替えて、他のダンジョンに向かった。

クララ「解せぬ」

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