謎の剣
誤字、脱字がありましたら報告していただけると幸いです。
私の名前は、『白神 天音』
学費を稼ぐ為に、冒険者をしている女子高生だ。
いや、生活費も含まれるけど…
私の家は、ギャンブル依存症の父が作った借金のせいで、家計が火の車になっている。
奨学金は受け取っているが、合計2000万の借金は重すぎる。
正直どうやってこんなに借金溜めたんだって話だけど。
これでも、父が保険かけて死んだから少しはマシになっている。
お母さんが必死に働いてお金を稼いでいるけど、女手一つでは、限界がある。
だから、私が冒険者になってお金を稼いでいるのだ。
しかし、普通女子高生が一人でダンジョンに行けば十回中、七回は死ぬと言われている。
だが私は、回復魔法が得意だ。
ダンジョンで生き残れてるのは、この才能のおかげだ。
それでも、基本的に一日二万程度しか稼げない。
宝箱が見つかれば、十万以上稼いだこともある。
全部、借金返済に消えたけど…
それでも、私のために身を粉にして働いているお母さんのためにも、少しでもお金を稼がないといけない。
私の収入の基本は、ゴブリンの魔石を売って稼いでいる。
ゴブリンは割りに合わない事で有名な害悪モンスターなので、私がよく行くダンジョンには、あまり人が来ない。
人が来ないって事は、競争が少ないので、ある意味、収入は安定している。
「グギャ!?」
私が振り下ろした剣は、ゴブリンの脳天にめり込む。
そして、ナイフを取り出した私は、鳩尾から魔石を取り出す。
慣れたものだ。
最初は、刃が進むたびに吐いていたのに、今じゃ作業だ。
「宝箱ないかなー。」
少しでも、金になる物が欲しい。
その一心で、ダンジョンを歩き回っていた時、
「あれ?」
空き部屋のはずの部屋から、光が漏れている。
もしかして、構造が変わって宝箱でもできたかな?
だとしたら、最高だ。
しかし、私が部屋に駆け込むとそこには、
「なにこれ?」
光り輝く魔法陣があった。
「これ、入って大丈夫かな?」
間違いなく転移の魔法陣だ。
こういうのは、転移魔法陣だって相場が決まっている。
実際、部屋にポツンと魔法陣がある時は、その魔法陣は、転移である事が殆どた。
それに、トラップでも転移はメジャーだ。
「可能性は3つだよね…」
1つ目、隠し部屋
2つ目、普通に転移
3つ目、トラップ
多分、2つ目だろうけど、1つ目であって欲しい。
どうしよう…
私は、少しだけ悩んだ後、
「よし、行こう!」
魔法陣の中に入った。
すると、案の定、魔法陣光だし私の視界を光が覆う。
ついた先は部屋で、ダンジョンの構成要素は同じだ。
しかし、広い部屋で、中央に剣が刺さっている。
「綺麗な剣だな〜。」
私は、思わず剣に触れてしまう。
『持ち主を設定しました。』
「え?」
剣は、突然私の腰に現れた鞘に勝手に収まる。
「え?ええ?」
未だに理解が追いつかない。
でも、聞いたことがある。
『強力な武器、防具は触れると持ち主を選ぶ』ということを。
つまり、この剣はそれくらい強力な武器という事になる。
「どうしよう…」
そんなの私が持っててもいいのだろうか?
でも、一度持ち主が決まると、持ち主が死ぬまで変わらないって聞いたことがある。
「私みたいな雑魚が持ってたら…」
うん、確実に殺される。
そうなったらお母さんの苦労が水の泡だ…
「隠さないと…」
でもそのために一番簡単なのは、アイテムボックスって呼ばれてる、空間収納がいる。
空間収納は、レベルが上がると誰でも使えるようになる。
「レベルを上げて、空間収納を使える様になる…そして、殺されない様に強くならないと!」
幸い、この部屋の奥には道があり、転移魔法陣を使わなくても大丈夫そうだ。
私は、レベルを上げるために奥の部屋に向かった。
最近、職人技の動画にはまってます。
見てて気持ちいいんです。