試練と警察
面談から3日、辞める宣言してから、一度も学校に行っていない。正式に辞める申請も出しているので、認められなかったら、裁判でも起こすつもりだ。
「今日は、耳飾りっと。」
ここ3日で、見つけた装備は、ペンダント、指輪、耳飾りだ。
『聖天の首飾り
天使が着けている首飾り。服装は、違っても首飾りは三種類しかないため、大体同じペンダントを着けている。常時回復と、疲労軽減効果があり、即死術を無効化する。
常時大回復 疲労大軽減 即死無効 自己修復』
『天華の指輪
天使が着けている指輪。婚約指輪ではない。どの指に着けるかは個人差あり。毒を無効化し、呪いや不本意な契約を阻害する効果を持つ。
毒無効 麻痺無効 呪怨阻害 契約耐性 自己修復』
『氷天の耳飾り
氷を扱う天使であることを証明する耳飾り。氷、冷気を扱う天使は基本的に、この耳飾りを着けている。氷属性を強化し、炎熱属性に耐性をもつ。
氷冷強化 炎熱大耐性 自己修復』
このように、並の魔法使いが相手なら、まったく相手にならないくらい耐性が揃ってる。
それでも、昇華者同士だと、気休め程度でしかない。
普通に魔法で大怪我する。
「耳飾りって、私付けられるかな?」
義眼みたいに、近づいたら勝手に付いてくれないかな?
そう、思って耳飾りを近づけると、
「痛っ!」
勝手に付いてくれた。
「ピアス開けるのも、こんな感じなのかな?」
もう片方の耳飾りも付ける。
「これでよし、後は自動着脱で〜」
すると、私の服が光って例の服に変わる。
「う〜ん、圧倒的プリ○ュア感…」
これを人前でするのは、恥ずかし過ぎる…もうちょい短縮出来ないかな?
脱ぐ時は、一瞬何だけど…これと同じ速度で着れないかな?
私は、試行錯誤を繰り返し、遂に一瞬で着替えられるようになった。
「よし、攻略進めるか!」
私は、昨日見つけた転送装置を使って4階層に飛ぶ。
「うっ!くっさ!」
そうだった、昨日臭すぎて攻略を断念したんだった。
「戦略的撤退!」
私は、転送装置で休憩室まで帰ってくる。
まずは、あの臭いをどうにかしないと、攻略どころじゃない。
あの強烈な腐敗臭、きっとアンデットが腐敗してるに違いない。そうなると、見た目もかなりグロいんじゃ…
アンデットは、天氷で消滅させるとして、問題は臭いだ。
結界で臭いを防げるといいんだけど…
「風魔法が使えればな~」
そんな愚痴を言いながら、結界を張って、転送装置を起動する。
「おっ?臭くない!」
結界で遮断してしまえば、臭いも防げるらしい。
行く手を阻む臭いが無くなった以上、魔力が尽きる前に、5階層に降りなければ…
私は、巻で攻略をすすめた。
「うわっ!キモ!」
途中で、体がドロドロになった、アンデットが何十体も出てきた。
目が落ちかかっていたり、頬がドロドロだったり、床を汚しながら迫ってくる蛆だらけのアンデットだったり。
「床を凍らせて歩いたほうが良さそう。天氷!」
私は、まずアンデットを天氷で消滅させる。
そして、床に氷を張り、その上を歩く。
「これで、汚れずに歩ける。同じ事を繰り返せば…魔力持つかな?」
魔力の量に物を言わせて、無理矢理進んでもいいけど、万が一、魔力切れを起こすと考えると…恐ろしてくてたまらない。
早く、5階層への階段を見つけないと…
「やっと見つけた!」
あれから1時間。
魔力を節約しながら、何とか5階層への階段を見つけた。
魔力はギリギリ。もし、節約してなかったら、体中に臭いが染み付いていた事だろう。
変なあだ名を付けられてもおかしくなかった。
「取り敢えず5階層に降りて…」
その時思い出した。
「5階層って、ボスがいるんだっけ?」
ネットの情報では、5階層に最初のボスがいて、次は10階層。次からは、10階層置きにボスがいる。
このまま、ボス戦なのかとビクビクしながら、階段を降りると、
「なんか、いかにもって感じの扉だな〜」
軽く三メートルくらいありそうな、いかにもという扉があった。
「転送装置は…あった!」
私は、転送装置を起動して、発動確認をする。
「よし、これで行き来が出来る。…もうあそこを通らなくても済む。」
4階層(魔境)には、もう行きたくない。
一回帰ってお昼ごはんも兼ねて休憩しよう。
ダンジョンから、組合に帰っている最中、
「キャー!!」
後ろから、女性の悲鳴が聞こえた。
何事かと振り返ると、女物のバックを持った男が走ってきていた。
「ひったくりか…フン!」
「グエェ!!」
私は、近くまで来たひったくり犯の喉を掴んで持ち上げる。
「何下らない事してるの?喉潰すよ?」
「クソッ!離せ!」
「わー、暴れるなー(棒)」
一般人程度の腕力じゃ、びくともしないくらい私の筋力は強くなってる。
そして、警察がやってきて、
「そこの君!その人を離しなさい!」
「は?」
「は、じゃない!離しなさい!」
「私はひったくり犯を捕まえてるだけなんだけと?」
勘違いを訂正しようとしたとき、
「助けてくれ!この女が首を絞めて来やがって!」
「はあ!?何いってんの?自分の罪を認めなさいよ!」
「取り敢えず、この人を離しなさい!」
私は、取り敢えずひったくり犯を離す。
「助かりました…」
「そうじゃないでしょ?自首しなさい、自首。」
「ふざけんな!急に首を絞めて来やがって!」
「はあ〜!?」
凄く氷漬けにしたい。
でも、それすると私が豚箱行きだから出来ない。
「あのー。」
そこに、金髪の若い男性がやってくる。
「俺、動画投稿してる者なんですか…一部始終録画してるんですよね。」
「それは良かった。」
「是非見せて貰えませんか?」
フッ、勝ったな。
ひったくり犯に目を向けると、冷や汗をダラダラ流していた。
「これで、貴方の悪事も白日の下に晒されるわね。」
「…」
「あれれ~、さっきまでの威勢はどこえやらw」
フッ、勝った。
そして、一通り動画を見終わると。
「取り敢えず、署まで来てもらいましょうか?」
警察の御用になる対象が変わっていた。
「クソーー!」
ひったくり犯は、怒声を上げると、
「どけ!!」
私を、突き飛ばして逃げ出そうとした。
しかし、
「私が一般人の筋力で倒れるとでも?」
何度もレベルアップを重ねた私にとって、こんな軽い力、簡単に抑えられる。
結局、また私に捕まったひったくり犯は、警察の御用になった。
「申し訳ございませんでした!」
私が、騒ぎを起こしたと勘違いした警察官が、頭を下げてくる。
「構いませんよ、あれを見れば誰だって勘違いしますよ。」
その後、少しだけ事情聴取があった後、私は開放された。
しかし、
「凄いですね!成人男性をあんなに簡単に抑えられるなんて!」
動画投稿者を名乗る男に絡まれていた。
「私、これからお昼ごはん食べに行こうとしてたんですが?」
「そうだったんですか!是非奢らせて下さい!」
「はぁ…いいですよ。」
かなり面倒くさい奴に絡まれた。