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装備と退学

「天氷」

私は、試練の界の攻略に来ていた。

相変わらず、ジャイアントゾンビを天氷一発で殲滅して、魔石を回収する。

「この服、思ったより動きやすいね。こんなに装飾されてるのに。」

試練の界にやってくると、やっぱり部屋が変わっていて、今着ている服…いや、防具一式が置かれていた。

「白ワンピ…防御力大丈夫なの?」

確かに、天使が着ているイメージがあるとはいえ…やたら装飾されてるし…マントも要らないでしょ…

正直、ツッコミどころが多すぎた。

ただ、防御力に関しては下手な鎧とは比べ物にならないくらい高い。…白ワンピなのに。

更に、スポーツウェアのように動きやすい。…白ワンピなのに。

更に更に、自動着脱機能搭載で、着たいと思った時に、服が光って白ワンピに変わる。プリ○ュアの変身が短縮されたみたいなイメージかな?

ちなみに、名前は『天の衣・青氷』でマントは、『聖天の外套』らしい。

鑑定結果は、

『天の衣・青氷

冷気を扱う天使が着用する衣。熱や負の属性に対して高い耐性を持つ。また、冷気を遮断し神聖、生命属性の効果を増幅する。

冷気無効 炎熱大耐性 負属性大耐性 神聖、生命大強化 物理大耐性 自己修復』


『聖天の外套

天使が着用する一般的な外套。闇や負属性に対して高い耐性を持つ。また、術全体に耐性を持つため他属性にも耐性がある。着用者に一定以下の威力の、悪意、殺意、敵意等のある攻撃は、結界による自動防御が働く。

闇属性大耐性 負属性大耐性 魔法大耐性 防御結界 自己修復』


白ワンピとマントのくせに、超一級の性能してる謎。

流石は昇華者の装備といった所かな?

防御結界は、私が強くなればなるほど基準の威力が上がるので、昇華者になる頃には、雑魚の攻撃はまったく気にしなくても済むようになるかもしれない。

後は、耐性が馬鹿みたいに高いから、魔法攻撃の脅威度が、ガクンと落ちた。

後は、効果は高いけど普通の内容かな?

ん〜、わざわざ攻撃をくらうのは嫌だけど…

ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!

「え?もうこんな時間?」

午後から学校に呼び出されているから、タイマーをセットして、遅れないようにしていた。

にしても、もうこんな時間か、って感じだけど…

「5分前行動は基本だし、それができるよう、早めに準備しておかないと。」

私は、レベルアップで強化された脚力と持久力をフル活用して、入口まで走った。






「準備出来た?」

「問題ないよ、早く行こう?」

私は、昼食を済ませると、すぐに着替えてお母さんと一緒に家を出た。

学校まで、十分くらいで着く。

帰ってくるのは多少ギリギリでも大丈夫。

何とかなる。

そして、十分後、予想通り学校に着いた。

そこから、三十分くらい経って、面談が始まった。

「ええ、それでは「ちょっと!!」…」

司会らしき先生の声を、ヒステリックな女性の声が遮る。

「お宅の娘がうちの子に剣を向けたのよ?どういう教育してるのかしら!?」

ヒステリックBBAは、早口でまくし立ててくる。

面倒くさいわ〜…

「何か言ったら?だんまりじゃ、わかんないのよ!!」

「声の音量下げられないの?」

「まあ!一言目がそれ?普通謝罪でしょう!!」

「普通、そんな大声出さないよ。」

取り敢えず、この手の輩は無駄に怒らせて、自滅させるのが一番だ。

「貴女、礼儀って物を知らないの?」

「司会を遮って、こんな狭い部屋で大声出してる人に、礼儀がどうのこうの言われる筋合いないんだけど?」

「なっ!?」

わー、分かりやすく怒ってる。

顔真っ赤だし、ぷるぷるしてるし。

「先生、暖房入れてあげてください。寒いみたいですよ?」

「そう見えるなら、眼科に行ったほうがいいわね、紹介してあげようか?」

「私もいい精神科医教えてあげるよ、それか、カウンセラー。怒りにくくなる方法、教えてくれると思うよ?」

きっと、このヒステリックBBA、私が攻撃してくるように、怒らせようとしてるんでしょ?

バレバレなんだよな〜…香織と矢野ちゃんの事言われると、キレるかも。

「それで?私が、剣を抜いたって話しだったよね?」

「え?あ、そうですね…剣を抜いたのは、「認めるよ。」は?」

「だから、剣を抜いたのは認めるよって。」

お母さん以外、全員ぽか~んとしている。

「ふふ、本当に認めるの?」

「はあ?そう言ってるでしょ?耳悪いの?」

すると、ヒステリックBBAは、ボイスレコーダを取り出した。

「さて、どうするの?」

満面の笑顔でこっちを見てくるBBA。

「それで、訴えるつもり?残念だけど、犯罪にならないよ?」

「嘘ね、ダンジョン法に、ダンジョンで使用する武器等を一般人に向けた場合、厳罰に処すってあるのよ。どう?」

「確かに、そんな法律あるね。でも、私は武器を一般人に向けてないよ?」

そう、武器は向けてない。

あれは、ビックリソード。武器という扱いは、法律で受けていない。

どんなに頑張っても、人を傷つける事は出来ないからね。

「訳が分からないわ、何が言いたいの?」

「じゃあ、教えてあげてもいいよ。」

私は、空間収納からビックリソードを取り出す。

そして、ヒステリックBBAに近づく。

「ま、まさか!は、犯罪よ!?正気なの!?」

「私の精神は、正常だよ。」

そして、ヒステリックBBAにビックリソードを振り下ろす。

「いやあああああ!!」

悲鳴が部屋を木霊する。

「ひいいい、人殺し!!」

「私は、人間なんて殺したことないけど?今も、首に剣を振り下ろしたけど、怪我してる?」

「あ、あれ?」

コイツ…頭大丈夫か?

それとも、痛覚がない体質なのか?

「どういうこと?」

司会の先生が呟く。

「これは、ビックリソードという、ダンジョンで手に入る、一応武器です。武器の宝箱から出てくるので一応武器だけど、法律的には、武器じゃないらしい。」

「法律的に、武器じゃない?」

「ビックリソードは、昇華者が赤ちゃんに振り下ろしても、薄皮一つ切れないのよ。まったく痛くもないし。だから、武器じゃなくてドッキリアイテムって扱いをされてるよ。」

「ほんとだ、ビックリソードは武器じゃない。って書いてある。」

ヒステリックBBAは、フリーズしてる。

その後、色々あって、私が停学になるところまで来た。

「あ、私学校辞めます。」

「は?」

「私はもうダンジョンで稼げるし、わざわざ学歴にこだわらなくてもいいんだよね。」

理解出来た先生達が慌てだす。

ホントにいいのかとか、後から後悔するぞとか、色々言われた。

「なんと言われようと、私は学校を辞めます。ありがとうございました。」

そこから、無理矢理先生達を納得させて、退学の手続きを進めるように頼んだ。

こうして、数日後、私は正式に学校を辞めた。




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