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異世界死霊使いのゾンビな日常  作者: ポタージュ
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黒瀬 歩


黒瀬 歩視点


 昼休みも終わって俺は教室で授業を受けていた。昼休み途中で何処かへ行った幼馴染のユメのことが心配で先生の話も入ってこない。


ジリリリリリリリリー


突如、非常ベルが鳴り出した。少し教室内は騒ついていたが、先生の指示で廊下に出る。他のクラスも同様に廊下へ出ていた。


「委員長はこのままみんなを体育館へ、先生は事実確認のため職員室に行ってくる」


先生はそのまま職員室へ向かっていった。


「はい、みんなー今の聞いてたでしょー出席番号順に並んでー」

……


 中学生の頃からの付き合いで親友の虹村幸助の提案で、俺は抜け出してユメを探しに行くことができた。


先ずは保健室に向かう。ユメは授業前に教室から出て帰って来ないから、具合でも悪くして保健室に行ったんじゃないだろうか。


何故か俺の同じクラスの横浜 小麦、山吹 実里も追って来ていた。


山吹 「でも、なんの警報なんだろうね?火事ではなさそうだし…てか、小麦ちゃんまでついて来なくてもいいんだよ?」


横浜「あ、アタシは実里が黒瀬に変な事しないように…じゃなくて邪魔しないように見張りに来たんです」


黒瀬(2人ともなんだかんだ言っていつもユメの事を心配してくれてるんだよな、俺とユメが休日に出かけると何故か2人ともいるし、ユメと結構話しているのをみる)


 黒瀬は勘違いしているがこの2人完全にユメの事は、恋のライバルとしか見ていない。普段から黒瀬とユメが2人で出かける情報を特殊なルートから入手して2人の邪魔をしているのだ。ユメはユメで、この2人のことを黒瀬と恋仲になるなら早くなれくらいにしか思っていなかった。


「失礼します」


保健室に着きドアを開ける。


「ん?黒瀬と山吹に横浜じゃないか、保健室になんのようだ?警報は聞こえたはずだろう?」


消毒液の臭いと共に俺を出迎えたのは、3年生で剣道部の主将をしている東雲 凛先輩と…


「アラ!あらあらまあ!あゆむじゃありませんの‼︎この金剛院 由佳子のことを心配して保健室に?」


3年生でお嬢様の金剛院 由佳子先輩と…


「…黒瀬先輩」


1年生で東雲先輩の妹でいつも保健室にいる東雲 美礼ちゃんだった。


「東雲先輩、俺達ユメを探してて…保健室に来てませんか?」


「いや、私もさっき来たばかりだが黒瀬はみてないな、美礼はどうだ?」


「有村先輩は今日来ていないですね」


保健室にいた3人は俺とユメ両方とも面識があったので話が早いがユメが保健室以外に校内のどこにいるか見当がつかない。


金「それよりもこの騒ぎはどういう事なんでしょうね、火事ではなさそうですが、イタズラなら随分と大きなことになりましたわね」


金剛院先輩が保健室の扉から廊下の様子をうかがってる。


「まあ⁉貴方大丈夫⁉出血しているようだけど早く保健室に入りなさいな……きゃ!貴方いきなり何を⁉」


金剛院先輩が声を掛けた男子生徒がいきなり飛び掛かり先輩を押し倒す。


「金剛院に何をする!!」


東雲先輩が持っていた竹刀で男子生徒を突き飛ばす。


「金剛院けがはないか?」


「大丈夫ですわ、けど…」

 

 男子生徒は痛みを感じていないのかすぐに立ち上がりそのまま突進して来た。


「早く中に入れ」


男子生徒の突進に対して東雲先輩は剣道の突きを当てる。男子生徒は反対方向へ飛ばされるが、なおも向かってくる。


「手加減して肩を狙ったとはいえなんてタフなんだ⁉」


「東雲先輩!中に入りましょう!普通じゃないですよ!!」


東雲先輩を中に入れ急いで扉を閉め鍵をかける。


バン!バン!と男子生徒が扉にぶつかり大きな音が保健室に響く。


「な、なんなんですの⁉彼は」


この場にいる女子全員が怖がっている。しかも何故か男子生徒以外にも扉を叩いている人が増えた気がする。


東雲「集団パニックってやつかもしれないな、何かの本で見たことがあるが集団の中で1人がパニックを起こすと伝染するらしい…だからみんな怖いかも知れないが落ち着いて我々は冷静になろう」


流石剣道部部長の東雲先輩だ。頼りになる。と思っていたが東雲先輩の竹刀を持つ手は震えていた。やはり男の俺が何とかしないと。


「東雲先輩の言う通り落ち着こう!それと警察に通報しよう」


スマホから110番を押し電話する、が何秒経っても繋がらない。他の人も試すが繋がらない。


「ど、どういう事だ?」


「お姉ちゃん…怖いよ」


「大丈夫だ美礼、ここ以外でも通報があって混線しているだけだ。我々はここにいれば安全なはずだ」


コンコン……コンコン


と廊下とは反対側にある窓の外からガラスを叩く音が聞こえた。強くたたく音とは違い誰かを呼ぶためのノックをするような音だったため俺はカーテンを開け音の主を探す。


「お嬢様ご無事ですか!」


「護衛隊!!」


スーツ姿の5人組は金剛院先輩の家に行った時に会ったことがある。


「お嬢様、あまり時間がないので簡潔に説明します。今すぐご学友と共に避難しましょう!外にバスを待たせているのでそこまで扇動します!皆さんも遅れないよう付いて着てください」


「金剛院護衛隊!ヤツらをお嬢様に近づけるなよ」


話し合う暇もなく流れでついていく。バスのある場所まで何度も襲われるが護衛隊が強くてここまで届かない。バスを護衛している人たちと合流しみんなバスに乗ろうとするがおれは止まる。


「俺ユメの事を探してくるよ、みんなは先に行ってて」


「ユメ様というのは有村ユメ様でございますか?有村様なら一足先に別のバスで金剛院パークに向かわれたので安心して下さい、黒瀬様も早くバスにお乗りください!これ以上時間をかけていると我々でも守り切れません」


「本当ですか!ユメは無事なんですね!良かった~」


俺よりも早く逃げてくれてるならひとまず安心だ。バスは走り出した後に虹村から電話がきて無事だと確認できたので一安心した。


 金剛院パークまでの道のりは大変だった。学校よりも酷い暴動が起きていて人が人を食べるという惨い光景が続いた。


それでも何とか金剛院パークの施設内に入れた。いろんなところから避難してきたのだろうか学生服以外の人も多くみる。


「お嬢様、ご学友の皆様もこちらに」


金剛院パークに隣接されている金剛院さんの屋敷へ行く。そこで知らされたのはニュースでやっている映像、暴動だと思っていた現状が映画などでよく見るパンデミックが起きたという事だ。


 誰もが言葉を失っていると


「ハーブティーです、リラックス効果がありますよ」


ハーブティーのおかげで安心できたのか俺はそのまま眠ってしまった。

次も金剛院パークでの話です。

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