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異世界死霊使いのゾンビな日常  作者: ポタージュ
10/15

ユメVSベビーゾンビ


「ちょうどええところに、美味そうなオンナがおるやんけー、チョット俺を産んでみるきないか〜ヒャヒャヒャ」


喋る赤ちゃんゾンビ名ずけてベビーゾンビはそう言った。


「あいにく子供は一生いらないわ」


刀をベビーゾンビに向けたまま答え、思考を巡らせる。


刀ゾンビは武器を使うだけの知能はあったけど、喋ることはなかった。目の前にいるベビーゾンビは、喋ることができ知能が高いことがうかがえる。発言は大分下品だが。


「ヒャヒャヒャ、そういう態度嫌いやないで〜絶対俺を孕ましたる」


「無色君、私が相手をするから…っていない⁉︎」


さっきまで近くにいたはずの無色がいなくなっていた。


(あの中坊逃げやがった!)


普通女の子置いて逃げるか?まあ残っていても邪魔なだけだけどさ。


「ヒャヒャヒャ、学生服のあんちゃんなら一目散に逃げってったで」


「アナタ程度なら、私1人で充分ってことよ」


「それは随分自信有り気やなー確かに自分、サムライを倒しただけはありそうやな」


恐らくサムライとは、刀ゾンビのことだろうか?。ベビーゾンビを作った者と刀ゾンビを作った者は同一人物だと言うことが分かり安心する。知能あるゾンビを何人もの人間に作られたら私の立場がない。


「アナタたちの主人は誰?」


「言うわけないやんそんな重要なこと、まあ俺を倒してから聞けってやつやな!ヒャヒャヒャ」


情報をもう少し聞きたかったが、どうやらもう話す気はないらしく準備運動を始めた。


「ほな、イクで〜せいぜい俺を楽しませてな!」


準備運動を終えたベビーゾンビが動き出す。


私は油断せず構えていたが目の前からベビーゾンビの姿が消えた。


「後ろやで〜」


「!?ッ」


いつのまにか真後ろにいたベビーゾンビに振り向きながら刀を振るう。


ベビーゾンビはクルリと刀を避け後ろにバックする。


「遅いでー自分、コレでも抑えたつもりなんやけどな〜ほら次も行くで〜」


(さっきは見逃したけどもう見逃さない!油断している今がチャンス!)


ベビーゾンビは確かに速いが、厄介なのはその小ささ。消えたように見えたのはその小ささ故なのだ。つまり小ささを意識していれば捉えきれない程じゃない。


ベビーゾンビは姿勢を低くして私の背後を取ろうとしているのが今度ははっきり見えた。


私はただベビーゾンビの通り道に刀を置いただけ。ただそれだけで


「ヒャ⁉︎」


ベビーゾンビは目の前に突然現れた刀を避けきれず下半身と上半身で別れた。


上半身だけになったベビーゾンビの腕を素早く切り落とし、完全に動け無いようにする。


「脳を破壊されたくなかったら、アナタの主人を教えなさい」


胴体を踏むつけ、頭に刀を向ける。


「ナンや、自分メチャクチャ強いやんけ、瞬殺とか恥ずいわ〜完敗や〜」


「質問に答えて」


「まあまあそう急かさんと、ゆっくり話そうや〜」


私は無言で刀を脳には届かない程度で射し込む。


「ちょ⁉︎分かった、分かったからそれ以上はやめてくれ」


「関西弁…忘れてるわよ?」


「ハハハッ、イタいところついてくれるで自分。俺の主人が誰かやろ?それはなー」


「ユメさん大丈夫ですか?」

「お嬢ちゃん大丈夫か」


ベビーゾンビが主人を言うタイミングで無色が山本たちを連れてきた。


無能はどうやら一目散に逃げたわけではなく援軍を呼びに行っていたようだ。


「ええ、なんとか大丈夫です」


「ユメさんすみません遅れてしまって」


「ううん、いい判断だったと思う」


「ありがとうございます、それでそいつは殺さないんですか?」


「喋れる見たいだから尋問してたの…どうやら主人がいるみたい」


話ながらも油断せずベビーゾンビから目を離さない。


「ヒャヒャヒャ」


「何がおかしいの?」


「いいや。ナンも無いで…主人やろ?オレの主人はな〜そこにおる無色様やー」


「「「「パァン」」」」


私が振り向くと無色以外のメンバー4人のお腹が破裂していた。


「はぁー全く…僕の顔に汚い血が飛び散ったじゃないですか」


そう言いながら無色はハンカチを取り出して血を拭き取る。


「あら?血が付いた顔も綺麗よ?それにしてもエセ関西ちゃんこんな子娘にやられるなんて情けないわね」


「何負けてんだぁザコがぁ!」


「……」


「まあまあ皆さん、このユメというオンナはサムライとエセ関西さんを倒しています。油断せずいきましょう」


新たに4人のお腹の中から新たに4体のベビーゾンビが出てきた。


「ファイヤーボール!」


先手必勝!


ベビーゾンビ4体相手にするのはリスクが高い、そう思った私は通路ギリギリの大きさのファイヤボールを作り出しベビーゾンビたちに放った。


「おいおいおい!魔法を放ちやがった!」


「当たったら不味いんじゃな〜い」


「……」


「喋ってないで主人を非難させなさい」


ベビーゾンビたちの一人が無色を担いでファイヤーボールを避ける。先程までユメがいた場所にはエセ関西ベビーゾンビの下半身しか残っていなかった。


「おい!逃げられたじゃねぇかよ!」


「コレはまずいんじゃなーい」


「………」


「無色様どうされますか?」


「お前たちは追わなくていい。蝙蝠とスナイパーに追わせる。有村 ユメ…なかなか面白いじゃないか」


「おいおい主人様よぉ〜やられっぱなしで俺たちベビーブラザーズが黙ってられるかっての!」


「黙れ!…お前らの失態を僕は許そうって言ってるんだ、4体も出てきておいてみすみす逃した失態をな、それとも今お前たちを処分しようか?」


「す、すまねぇー二度と口答えしません。」



…………


「おい!オレをどうするつもりやねん!」


私はファイヤーボールを打った直後、秘技逃走を使いショッピングモールから離れた。左手にはベビーゾンビの頭を掴み、右手に刀を持っている。ベビーゾンビを持っている所為でカモフラージュを使えない。


「アナタには、無色のこと洗いざらい吐いて貰うわよ」


「見くびらんといてなーオレは死んでも主人の情報は吐かへんで」


ベビーゾンビにどうやって無色のことを吐かせようか考えつつ背後に追ってがいないか確認する。


ショッピングモールから大分離れたがまだ油断できない、体力的に走るのが辛くなって来たので近くの5階建てのビルに入る。


追ってが来てもすぐ分かるよう屋上に行き、私は持っていたベビーゾンビを置いて向き合った。


「さて、どうやって吐かせようかしら?」


「何度も言うとるやろ!オレはしゃべら」


ベビーゾンビが言い終わる前に何かがベビーゾンビの頭を吹き飛ばした。


(狙撃⁉︎)


急いでビルの中に隠れ狙撃されないように隠れる。


(音はしなかった…相手の位置もわからない)


ベビーゾンビたちは銃を持っている者がいなかった事から最低でも無色は4体のベビーゾンビの他にも知能あるゾンビを操っている事になる。


(無色のことは後で考えるにしても、ここからどうやって逃げるかだね)


ベビーゾンビの頭を正確に撃ち抜いてきたスナイパーを攻略しない限り逃げる事は不可能だ。



無色ううううううううう


次回

説明会

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