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転生人生〜終わりなき転生の果てを彷徨う〜  作者: 黒猫鉤尻尾
転生人生。勇者アレクシス編
24/46

後日談。世界はこうして広がってゆく


 勇者アレクは、仲間達と共に魔王を討伐する事に成功した。

 しかし、王都に帰還した時は一人で仲間は誰もつれてはいなかった。

 魔王討伐を成し遂げた功績が、世界から称賛されたが、式典で言ったことが世界中に物議を醸し出す。


『世界は平和になりました。けど、それは本当の平和なのでしょうか? 一つの脅威がなくなっても、世界は平和になったりなどしない! 僕は嘗て一人の兄がいました。しかし、ここにはその兄がいません……。なぜならば教会が行った非人道的かつ神に対しての冒涜的な行為を止めるために、その命を使ったからです! 僕は勇者としてここに告発します! 教会の非道を! 証拠は全て各国の方々、僕が信用のおける人々に渡しています。その人達がどのような決断をするかはわかりません。ですが、僕はもう勇者をしたくないっ!」


 勇者アレクは凱旋式典で各国の王や皇帝、民衆が集まる中で、それだけを言うと驚異的な身体能力で姿を消した。

 それ以来、勇者アレクがどうなったのかは誰も知らない。




 ガド・ウルブ・レオニスは魔王討伐後、すぐに仲間達から離れた。

 それは予め話し合っての事だ。王都には勇者一人で帰る。そして教会の悪行を告発することになっていたからだ。


 勇者アレクの言葉にみんなが反対をしたが、誰に似たのか頑固に訴えたために、勇者アレクの助けになるためにそれぞれの道を探ることとなった。


 ガドは帝国に行き、冒険者組合のギルド長に収まった。

 元々、面倒見がよく教育もしっかりしていたガドは、獣人でも差別されない帝国で冒険者達にとって良き父親、良き指導者として大きく慕われる。

 だが、彼は決して誰とも組んては冒険しなかった。



 エルフィエナは魔王討伐後に数年間を費やして、己の魔術の才を極め。嘗ての師匠を超える大魔道士となる。

 そして忌まわしき魔の森への単独侵入を成功させて、王都へと帰還した。

 王都に戻ると、第十五代アレイムス王に歓迎されて、新生大魔道師団を結成した。

 既存概念を覆すような。新たな形態の魔法式は王国を大きく発展させることとなる。


 大魔道士エルフィエナは多くの弟子を持ち、世界に多くの魔法の傑物を生み出した。

 だが、彼女には一つ困ったクセがあった。弟子がどれほど偉くなっても、弟子どれだけ大きくなっても、合うたびに頭を撫でるのだという。

 だが、弟子はみんな苦笑いを浮かべるだけで、決して嫌がったりはしない。


 なぜなら弟子の頭を撫でる時には本当に嬉しそうな表情を浮かべるのだから。



 ルクセリアは魔王討伐後に、ルーテシアと改名して旅に出た。

 ルーテシアの逸話は数多く残された。

 行く先々で、人々の怪我を癒やし心を癒やし、何があっても微笑みを絶やすことがなかった。


 いつしかルーテシアは『微笑みの聖女』と呼ばれるようになったが、誰も本人に対してはそう呼ぶことがなかった。

 聖女と呼ばれた時だけ胸が痛くなるような悲しい微笑みを浮かべるのだ。

 だから、彼女は周りから常にこう呼ばれた。

 微笑みの君と……






 とある街のとある孤児院にとても有名な神父がいた。

 彼はスラム街の中に聖印を掲げない孤児院を作り、捨てられた子や親を失った多くの子供たちを養った。

 それだけではなく。スラム街に住む人々にとっても親のように接し、間違った事すれば叱り、良い事をすれば褒め、そして困った事があればどんな人間でも差別せずに必ず助けた。


 そこに二人の冒険者がある日訪ねて来たという。

 中年に差し掛かった冒険者達は、世界中の孤児院を人を探して周っているのだという。


 一人の人間を探して……

 その人間の特徴は綺麗な銀の髪をしていて、とても気持ちのいい人間であるということ、そして名前を『――』と言った。


 神父は彼らを快く孤児院に迎えたという。

 スラム街の住民はその時に不思議なものを見たという。

 何があろうと快活な笑みを浮かべる神父様の目に光る物があったというのだ。


 スラム街の人間は神父が何者でどんな過去があるかは知らないけれども、とても気持ちのいい男であることを知っていればいいのだ。


これで本当に一章完結です。

二章についてのアンケートなんですが……主人公は男性か女性がどっちでいいでしょう?

答えがなければ女主人公になります。


一週間ほど書き溜め期間をいただきます。


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