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エントランスを抜けると、高い天井、明るい照明。

広い店の中は、薄い紫色のパーティションでいくつかのブースに区切られていた。

正面中央には、上の階につながる大階段。

「いらっしゃいませ、お客様。何をお探しでいらっしゃいますか?」

口元に笑みを浮かべた、ショートカットのスーツ姿にメガネの女性店員が、五人に歩み寄った。

「このアル・イスカンダルさんデザインのポーチが。有ります?」

ホムラがモバイルタブレットの画面を見せながらたずねた。

「御案内いたします。お客様、お先き失礼いたします。どうぞ、こちらへ」

女性店員先に立って歩き出した。五人がその後をついて行く。

「こちら、アル・イスカンダルのブースになっております。どうぞごゆっくり、お買い物をお楽しみくださいませ」

女性店員は腰の前で指先を重ねて揃え、頭を深く下げた。

「お客様、ただいまこちらのアル・イスカンダルの(ほう)、恵まれない(かた)

に対しての、支援の募金活動に参加いたしております。最低設定募金金額で宜しいのですので、どなた様にも、募金に御協力のお願いをいたしております」

女性店員がマネーの読み取り機を示した。

「10円でも、小銭で募金するんじゃないんだね」

ブース内にある、募金をお知らせする表示の【最低マネーが10を一口より】の文字列を見つめながら、ヤスミがつぶやく。

「電子取引の方が、事務経費が少なくてすむから、少額だと現金を集めた時よりも、必要なところに多く届くのよ」

イズミがヤスミささやいた。

「なら、私は一口協力しましょう。みんなは?」

ホムラが、読み取り機にモバイルタブレットをかざす。

ミノリもモバイルタブレットをかざした。

ハタタも続いてモバイルタブレットをかざす。

ヤスミは、肩を落として、あぁと言う感じに、モバイルタブレットをかざした。

「お客様、御協力、ありがとうございます」

女性店員がまた深く頭を下げた。

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