尊称よ
「VilaineLaideMoche様よ」
何か、エレガントな名前ね。
鰒貝の名前を、ピンクのどぶねずみに訊いたら、凄いハイソな名前がかえって来たわ。
「御大層な名前ね。名前負けしてないと良いけど」
率直な感想よ。
「あぁ?どんな名前でも、ナノちゃんより凄い名前負けなんて無いだろう。なんたって【ヒロインなの】だぞ」
緑のどぶねずみが何か言ってるわね。
「そうだよ。ナノちゃん。ナノちゃんの【ヒロインなの】以上の名前は無いよ」
朱色のどぶねずみが続けたわ。
「やっぱり、ナノちゃんの【ヒロインなの】が、最高峰だよな」
これは、紫のどぶねずみ。
何か、名前を誉められてる気分なんだけど!?
「ここまで、名が態を表さないのも、むしろ称賛したいくらいだ」
「ソリス兄さん。あんまり、酷いことを言うと、ナノちゃんに生きたまま存在をほどかれるわよ」
ソリスに向けて、ドラウトが言ったわ。
「あぁ!うっかり本心が言葉に!!」
ソリスが絶叫ね。
「あら、名前を誉められるのは気分がよろしくってよ」
本心を言ってみたわ。
「えぇ!?本当に?……まぁ、ナノちゃん本人がそれで良いんなら、僕はどうでも良いんだけど…………ソリス兄さん、命拾いしたわね」
あら?
あたし酷いことを言われたのかしら?