収納よ
『義妹。グッドニュースよ』
通信の相手は、ニナルよ。
出来るだけ、相手にしたくないんだけど。
「それは、よかったじゃない。じゃ」
切る。
直後に、コールが。
……鳴り止まない。
「ナノ、煩いから、それ着信拒否か、電源をオフにしときな」
パパが言うけど、これモバイル末端でなくて、次元アフォーンなのよね。
すっぽん、どうすれば電源切れるのかしら?
『すいませんが、知識の範疇外になります』
あら、そうなの。
「ドラウト!」
わかりそうな相手を、呼んでみたわ。
……………………
反応が無いわ。
「ソリス、アディニウム、グロッサーリス、シュヴリル」
……………………
反応が無いわ。
「アンジェヴェール、ブランシュネージュ、サンドリヨン、シャプロンルージュ」
……………………
反応が無いわ。
なら、こうよ。
「ママ、魔法美少女戦隊の通信機って、どうやって電源オフにするの?」
「あぁ、次元逓信機の機能停止?それは、簡単には出来ないわよ。機能は、魔法美少女の生体反応が消えるか、魔法美少女戦隊から脱退して、魔法美少女で無くならないとオフにはならないわ」
……それだと、死亡するか、廃人にならないと機能停止しないって事になるわよ?
「つまり、機能停止には出来ないのね?」
訊いてみたわ。
「あら、機能停止にしなくても、私たちの変身コームみたいにインフェロス次元に格納しておけば良いのよ。呼び出し音なんて聞こえないわよ」
にっこりママが嘲ったわ。
すっぽん、インフェロス次元に収納よ。
『ナノちゃん。生憎、インフェロス次元収納庫は、偽帝バファグリィの力で、今はインフェルノス次元収納庫に変容しているので、魔法美少女が新たにはインフェロス次元の収納庫を利用する事が出来ないので、常時ナノちゃん達の手首や耳に装備されているのです。もし次元収納庫を使用したいのであれば、偽帝バファグリィを倒して、インフェルノスをインフェロスに戻すのです』
すっぽん、それ、本末転倒だから。
それに、ママ達の変身アイテムはインフェロス次元収納庫に出し入れ出来てるじゃない?
『それは、今のインフェルノスがまだ、インフェロスの時期に次元収納庫使用契約を結んでいたので、継続利用が出来ているのです』
何か面倒臭い理由だこと。
つまり、この通信機は電源オフにも、次元収納庫に収納も出来ないのね。
すっぽん、なら呼び出し音を消すのには?
『出れば良いのでしょうな』
ニナルの電話に?
『無視しましょう』