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問いよ

「次元ファッソルって何よ?」

どぶねずみ次元の住人に訊いてみたわ。

「はぁ、自ら石化し、外界からの感覚を閉ざし、眠りにつく事でございますな。対衝撃硬度も、耐高温、耐低温も、耐高圧はもちろんの事、無重力の真空中にも耐えられる、高度な冬眠ともうせましょうか。解除してくれる方が居られませんと、永久冬眠、略して【永眠】になりますが」

解説してくれたのは、やっぱり、すっぽんね。

次元ファッソルは略して永眠って事ね。

でも、永眠、って、死んでる、って事にならないかしら?

「……王が!」

お兄ちゃん……プリンセス・ラキュサークが、シメリィの前に立ちはだかったわ!?

「これは、王家内情に関する事。ソリス、シンディルゥ、イズミ、人払いを」

お兄ちゃんのお腹の辺りから、プリンセスラキュサークの声が響いたわ。

あら、カラフルも地味色も、どぶねずみがあたしのお部屋から、ぬるりと消えたわ。

あら?

プリンセスのお相手のアディニウムまで消えたわ?

関係者じゃないのかしら?

「さぁ、ナノも、あなたも」

ママが、あたしとパパの背中を押して、部屋の外に向かったの。

「成泰は良いのか?」

パパの疑問には、プリンセスが答えたわ。

「良い。わらわのエネルギー源であるからな」

そうよ。

プリンセスは、吸盤でお兄ちゃんと、合体してエネルギー補給源兼移動手段に活用してるんだったわよね。

「あ、寄生虫……」

「パパァ!」

何か言いかけたパパをママが嗜めたみたいね。

あたしの頭には、すっぽんが乗っかったわ。

『ドラウト様達の始めた、呪術で氏親の呼び寄せが、まさか、こんなに、大きな事につながりますとは』

呪術で氏親の呼び寄せ?

氏親ってヒデリィよね?

じゃ、初めから、シメリィを呼び寄せてたわけじゃないの!?

『はい。舵取り役のソリス様は別格ですので、氏親天父ヒデリィ様の御子4匹、氏親太母シメリィ殿の御子で氏親を呼び寄せる呪術を行って、現れたのが、シメリィ殿であっただけの事にございますな』

4匹対4匹なら、ヒデリィとシメリィ、両方来ない?

『それが呼び寄せられるのは一体のみでして、ヒデリィ様の呼び寄せをしていましたのですが、ドラウト様が途中中断して、ナノちゃんに説明をする間、どうしても、氏親は太母シメリィ殿との思いの強いシンディルゥ殿達の数が増えることとなり、呪術のバランスがシメリィ殿呼び寄せに傾きまして、結果現れたのがシメリィ殿になったのです』

それなら、地味色どぶねずみに指揮させて、カラフル5、地味色3で呼び寄せするべきでしょう!!

『いや、ラット様方の考えることは、すっぽん風情には理解できませんから。それにシンディルゥ殿達は純インフェルノスのラットタイプ次元妖精ではありませんから……』

いや、どんな理由でも、あたしにはあまりに間抜けで理解できないわよ。

もう、呼び寄せ対象をヒデリィに限定してないのが、理解できないわ。

『個体指定の呼び寄せは、プリンセスクラスに成りませんと、できませんから、氏親を指定したのでしょう』

なら、ドラウト達、ヒデリィの子供だけでしなさいよ。

氏親がシメリィなのが混じってたら、シメリィが呼び寄せられる確率があるんだから。

『旗降り役1匹を外すとしても、さすがに5匹で呪術は無理ですな。せめて8匹は必要でしょう。それに旗降り役が出来る、純インフェルノスのラットタイプ次元妖精は、ヒデリィ様を欠いた今は、ソリス様だけですから』

すっぽんから細かい説明を受けた後の今と成っては、あたしには、どぶねずみ達に、そんな呪術は諦めなさいとしか言えないわ。

もう、ドラウト達がやらかしちゃった後だから、何を言ってもむなしいけど。

「まぁ、リビングで待ってよう」

パパがリビングのドアを開けてたわ。

あ、着信だわ。

誰よ?

まさか、ニナルからじゃないでしょうね!?

ウッ!!

ピンゴ!?

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