別歌よ
「この部屋で死なせたらダメ!生かしておきなさい」
どぶねずみに指示よ。
「………………大丈夫よ…………多分」
ドラウト、今の間は何かしら?
「本当に大丈夫なのよ?」
訊いてやったわ。
「シメリィ殿の、この姿はかりそめなのよ。正体はシンデル達と大体、おんなじ感じかしらね……王家から降嫁したプリンセスが、ご先祖様に入るから、ちょっと高貴感はあるけど」
ドラウトが言ったわ。
高貴感?
まぁ、今も頚に巻き付いた次元ワイヤーを、じたばたしながら、引き剥がそうとしてるんだから、生きてる事は生きてるんだけど、正直、高貴さは感じないわよ?
あぁ……プリンセス・ラキュサークも王家の方よね。
高貴な感じは、無いわよね。
「それが本当なら、ラキュサーク様とも、シンデルやあんた達とも、おんなじはずよね。また二極の何かがどうとかするの?」
訊いてみたわ。
みんな、正体を暴くのに、二極をどうのこうのしたわよね。
「そう、そうだよ!ナノちゃんが、デモリッションソングをウナッてくれれば良いんだ。そうすれば、一発で本体に戻るはずだ」
アディニウムが言ったわ。
「じゃぁ、ナノちゃん、チャッチャとお願いね」
そう?
じゃ、あたしの、バル様の完璧コピーの一曲を聴かせてあげるわ。
「君を衛為には〜」
「それじゃないでしょう、ナノちゃん。それは、デモリッションソングでなく、ただ単に下手なだけよ」
ドラウトが、何かほざいてるわね。
なら、こうよ。
「マフィン・トップ!コスメティックサー・ジェリー!ラグ・ヒドゥン!ヒロイン・プラチナ・キューティー降臨!デモリッションソング!デフ・キー!ボエェェェ――――――――」
何か、もうシメリィは拘束されてるのに、わざわざ変身してがデモリッションソングを披露するの、面倒臭いわね。