浣腸よ
「大丈夫?」
は?
みんなの居る部屋に戻ったら、イクヨちゃんに心配されちゃったわ。
「大丈夫って何が?」
「ほら、体調がね」
イクヨちゃんのおかあさまにも心配されちゃったわ。
でも、何であたしの体調を?
不調なところは……無いわよ?
「あぁっと、ナノが水を飲みに行って長いからさ」
ルイに言われたわ。
何かルイにしては、歯切れが悪いわね?
「便秘でトイレにこもってたんだよね」
はぁぁ?
何を言ってますか、カオちゃんは!?
「違うから」
否定よ、否定。
「うん。違うんだよね。解るわぁ、その気持ち」
カオちゃんが心底って感じに、うるうる眼で言ってるんだけど、全然信じてないわね。
あたしが便秘だって思い込んでるわね。
「良い、お通じのお薬有るわよ」
おばさんまで!?
「あぁ、家の義父は大森製薬に勤務てるから、沢山有るんだよ。いくつ欲しい?」
イクヨちゃんまで。
「イクヨちゃん、要らないわよ。あたし、そもそも便秘じゃないから。気持ちだけ受け取っとくわ」
無下に断れないわよね。
心配してくれてるんだから。
要らない心配だけど。
あら、もう、おばさんが箱を持ってきたわ。
「はい、お通じのお薬」
おばさん、それ浣よ!
腸って、お通じのお薬って範疇だったの!?