通話よ
それにしても、自分の親だけ名前で登録だなんて、ドラウトったらどういう、どぶねずみよ!!
自分の親が人のつもり!?
『氏親だと御聞きしておりますが、人類ではありませんな』
それは、あたしも知ってるわ、すっぽん。
「ヒデリィ」
とにかく呼んでみたわ。
『こちらは次元アフォーン社です。おかけになったモバイルは、現在お客様の御都合により、御繋ぎすることができません。こちらは次元アフォーン社です。おかけになったモバイルは、現在お客様の御都合により、御繋ぎすることができません。こちらは次元アフォーン社です……』
!
何なのよ!!
『都合が悪いようですな』
連絡よこせって、ヒデリィが言ったんでしょう、すっぽん!?
『はい。つい先ほど、そう言う伝言です』
じゃぁ、何で繋がらないのよ!?
『それは、何か都合が悪いのでしょうな。理由はわからないですが、向こうで突発的に何か有ったか、ただ単に、ナノちゃんに連絡しろと伝言したことを一瞬で忘れたか』
あの黄色いどぶねずみなら、ただ単に一瞬で忘れてるんだわ!
何せ、あのドラウト達の親だもの。
ドラウト達は呼べないのかしら?
『ここは次元コリドールがつながっておりませんから、無理でしょう。しかし、次元アフォーンでならあるいは……』
すっぽん、その手が有ったわ!
あのどぶねずみ達は名前で登録してるみたいだから、繋がるはずね。
「ドラウト」
「こちらは、次元モバイラール社です。おかけになった番号は現在使われておりません。もう一度番号をお確かめのうえ御かけなおし下さい。こちらは、次元モバイラール社です。おかけになった……」
切るわ。
『番号が変わったようですな』
そうね、すっぽん。
こうなったら、青でも、緑でも、紫でも、朱でも何でも良いから連絡よ!