待合よ
4時前。
露払いに、3人の若どすこいを従えて、図書館の入り口にスタンバイよ。
後は、ニナルの愚兄、とっちゃん坊やの到着を待つだけね。
とっちゃん坊やの手にすがり付いて【ニナルに呼ばれた先導いたせ】で良いのよね。
『何やら、その物言いですと、少し上からのような気がするのですが?』
そう?
ニナル風情の頼みなんだから若干なら、上からでも良いでしょ。
『はぁ。そういう事ですか……』
そういう事だわね。
「ナノちゃんの学校の先生を待ってるんだよね」
あたしの真後ろに立ってる、ナヒカリくんが訊いてきたわ。
「そう。でも先生って言っても、産休代用教員だし、同じ学年の子の、なんか実生活は、凄く屑なお兄さんよ」
「屑……」
「……クズ」
「…くず…」
3人の若どすこいが、それぞれ、呟いてるわね。
「な、ナノちゃんは、ダメンズが好きだとか?」
マナミくんが訊いてきたわ。
「ダメンズは願い下げね」
即答よ。
「凄い親友のお兄さん?」
ナヒカリくんが訊いてきたわ。
「親友だなんて、めっそうもない」
ニナルが親友なんて、考えただけで虫酸が走るわ。
「もしかして担任?」
ニギカゼくんが訊いてきたわ。
「一切接点はありません」
欲しくも無いわよ、あんなとっちゃん坊やとの接点なんて。
「何で、ナノちゃん、そんな相手と待ち合わせをするんだ?」
マナミくんが訊いてきたわ。
ニギカゼくんとナヒカリくんが、頷いたわ。
「実はね、親友の……」
なら、ちょっと、説明しましょうっと。