表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/1300

次代よ Next魔法美少女戦隊MAD49

「……ナノちゃん。ナノちゃん」

確かに、名前を呼ばれたわ?

私は底等辺之(ソコラヘンノ)中学に通う極普通の女の子。

広印奈乃(ヒロインナノ)

空を見ると、カラスが飛んでるだけね。

道路を見ると、歩道の隅にごみが落ちてるわね。

すごい汚れたフェレットかなんかの茶色いぬいぐるみ。

拾ってゴミ箱に……!

「ギャー!ゴミがしがみついた!キモー!」

腕をブンブン回して離そうとしてんのに、なんでとれないのよ!!

「……ナノちゃん、まって!」

また、呼ばれたし!

このゴミが、ゴミが、ゴミが!!

ゴミが!ぬいぐるみの残骸が喋った!?

「……教育型AI搭載のぬいぐるみ?」

茶色いフェレット型のゴミを改めて見ましょう。

中のメカは高いかもよ?

持って帰ろう。

「外側はキチャナイから」

ひんむくのよ。

「ぎょぇぇ!痛い痛い!」

痛がるAIって何よ!

「あんたホントに、水曜イズミさんの娘か!」

「ママを知ってるの?」

おぉ?

このAI、ママの旧姓を知ってるのなら、かなりの年代物。

お宝かも知れない。

「知ってるも何も、わたしはイズミさんがナノちゃん位の時に、飼っていたタンマリちゃんの子供よ」

ママがあたし位の時にって、30年近く前よね?

そうか、ママの実家はお金持ちだから、そんな昔からママはAI搭載ぬいぐるみをもってたのね。

子供って事は、そのバージョンアップがこのゴミ。

かなりロートルね。

とにかくもって帰ろう。

そしてママに見てもらおう。

顔認証でドアは開くし、危険物感知の警備ロボットはスルーだから、このゴミは危険物で無いのね。

「ただいま。ママ?見てみて」

『お帰りなさい、ナノ。何かしら?』

ヴィジョンに映ったママに、バージョンアップタンマリを見せる。

「これ、懐かしくない?」

『あら、丁度良かったわ、ダストシューターの刃を変えたから、入れてみて』

良くわからない指示ね?

とりあえず、ゴミ箱にポイ。

「フンギャー!!死んじゃう死んじゃう!」

ゴミぬいぐるみが宙に浮かんだ!

重力制御システムって、加重しか実用化になって無かった?

『あら、ひでりじゃないの?懐かしいわ。30年ぶりね、アグリー様達はお元気かしら』

ヴィジョンのママが、棒読みで宣った。

アグリー?

「違います!ヒデリーの子供の、ドラウト・シッキタース(Drought Siccitas)です」

泥々汚れのぬいぐるみに、そんな立派な商品名が?

『まぁ、そうなの。ヤスミちゃんの所では無く、何故うちにおいでに?』

「母はこちらで私を産みましたので縁がありますから」

産みましたのでって、これAIぬいぐるみじゃないの!?

『ここで赤ちゃん産んだヒデリのお嫁さんだと……シコマタちゃん?タップリちゃん?タンマリちゃん?ゴッソリちゃん?』

「タンマリです、タンマリちゃん」

ママが変な生き物と平然と会話をしてる!?

「ママ、これ薄汚れたAIぬいぐるみじゃないの?」

『次元妖精よ。洗えばきれいになるから、洗えば。そちらに行くから』

妖精!?

ママが平然と……変だ!?

ヴィジョンが切れた。

洗えば、洗えば……。

ウォッシャーに入れて、蓋。

シルクウールコースをピッピッ。

「ぎゃぁぁぁ!」

あれ、ちゃんと生き物コースよね?

間違えたかしら?

「ヴォォゥゥ!……」

静かに成ったわね、正解よね。

着替えで来よう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ