朝一よ
フレンチトーストとエッグベネディクトを、カフェオレとクラムチャウダーで流し込んで、軽い朝食を済ませたわ。
お休みなんだから、小腹が空いたら後でブランチを取れば良いんですもの。
今、あたしはデザートのラットタイプアイスを食べながら、玄関でニナルを待ってるのよね。
うぅん、このアイス、相変わらずジャリジャリするわ。
スポンジはネチョネチョだったはずが、バサバサだし。
これ、劣化が激しすぎるわよね。
サンライズを眺めながら、小鳥の囀ずる野外でスイーツ。
かなり良いかも。
どぶねずみもすっぽんも居ないし。
ガラガラガラガラ……。
雑音が小鳥の囀ずる声を蹴散らして近付いてくるわ。
無粋ね。
「来てやったわよ」
金属製のカートを引きずりながら、ニナルが現れたわ。
何故か制服着てるわね?
今日はお休みよね。
「何、その格好?」
「あぁ?これ?あんたと違って、アタシは優秀なグルービーだから、見た目だけのクイン・ビーや無能なサイドキック達には出来ない重要な学校の用事を、今日も頼まれてんのよ。まぁ、平均点以下のあんたには解らない、出来る女のサガなのよね」
出来る女のサガ?
何を言ってるんだろう、ニナルは?
イヨちゃん達は、あんたがねをあげる様に、週5で学校の早朝清掃ボランティアをかしたのよ?
その意図を解らない上に、自分に都合良く曲解するなんて、さすがニナルね。
「そうなの。大変ね。ホントあたしは婢がする事は出来ないから、おまかせするわ。あぁ、それが返品の一部ね。ありがたく頂くわ。大変ね返品の山って。倉庫代と廃棄物処理費用出せるのかしら?」
ニナルのカートから、段ボール箱を抱えあげて、あたしは言ってやったわ。
「……ま、まぁ、そんなこともないから。じゃ、また放課後。4時直前に底蕁図書館よ」
カートをガラガラガラガラ引きずりながら、ニナルは離れてったわ。
動揺してたわね。
あのカート、折り畳み式なのに、畳むのも忘れて行ったもの。