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落涙よ

カオちゃんが、休み時間毎に、3年呂組のドアを叩く。

3年の池先輩から、2年に苦情が入ったって、ツウナさん達が騒いでたわ。。

ルイの報告では、2年の窓口扱いされてるのは、あたしの部下のイケてるトリオなんですって。

昼休み給食後に、その3人が揃って呂組に登場ね。

ツウナさん達取り巻きが、慌てて3人の背後に立ったわ。

ネーナちゃん、イヨちゃん、ヨネちゃん、一足遅いわ。

「既にカオちゃんは3年呂組に行ったわよ」

慌てて、ルイとイクヨちゃんが追いかけたけど。

「あぁぁ!ニナルさんといい、何であぁいうのが、何人も居るのよ!」

ヨネちゃんがプチっとキレたみたい。

「一緒にされたら迷惑ね」

あぁ!

ニナルまで来やがったわ!!

「あら、双璧の一角が現れましたわね。どういうおつもりかしら?あんな愚兄様を送り込んで?あんなのをジョックにするとでも思いまして?教師は範疇外ですわ」

イヨちゃんがニナルに喧嘩腰ね。

「そうね。高々グルービーの愚兄様なんて、眼中にないわぁ。早急にあのオッサンには辞職届けを書かせなさいよ。言動が目障りなの」

そう言って、ネーナちゃんがにっこり笑ったわ。

「出来ればしてるわよ!あのバカは他人(ひと)の話を聴かないのよ!」

ニナルとおんなじね。

「あなたと同じですわね」

イヨちゃんがビシッと言ったわ。

ネーナちゃんとヨネちゃんがコックリ頷いたわ。

それだけじゃなく、ツウナさん達も全員がコックリと頷いたわ。

「あのバカは見境なしなの!通算敗率100パーだったのに、落ちそうなバカ女が現れて、あたしは半分パニックよ!!どうにかしたいの!一番アイツの好みから遠いから、あんたに頼んでるだ!下げろって言われたら、頭だって下げるわよ!」

ニナルが、突然あたしの前の床に土下座したわ!

さらに顔を上げたニナルの目に光るモノが!

びっくり!

ニナルが泣いてる!

「形振り(なりふり)かまってらんないみたいね」

ネーナちゃんがのほほんと言ったわ。

「そうよ!私の将来設計がガタガタんなっちゃうのよ!!あのバカが犯罪者んなっても!あわよくば示談になっても!」

犯罪者。

「どうする?」

ネーナちゃんがあたしに訊いてきたわ。

「……」

あたしが腕時計を示したら、ネーナちゃん、イヨちゃん、ヨネちゃんが頷いたわ。

「……とりあえず、当事者が居ないのですから、池先輩のところには、わたくし達3人で行って来ますわ。よろしくってね?」

イヨちゃんが辺りを見回したわ。

「そうだ、ニナルさんにも行ってもらおうよ。行ってあのオッサンの所業を池先輩に直接伝えて」

ヨネちゃんが、ニナルを引っ張り立ち上がらせたわ。

「わかったわよ」

ニナルが頷いたわね。

「じゃ、あなた達は解散よ」

ネーナちゃんが、ツウナさん達を解散させたて、イヨちゃん、ヨネちゃんと一緒に、ニナルを引き摺って教室を出てったわ。

「広印さん、何でうちのクイーン知ってるの?凄く親し気?」

4人を見送ったツウナさん達が、あたしに群がって来たわね。

何か、気分が良いわね。

「あぁ、サイドキックの合弗さんが家の御近所さんで良くお部屋で遊ぶ仲なの。もうひとりの冷泥さんとは、お互いのお家を往き来する仲だし。クイーン?のフォントさんとは、同じ習い事の場に居た仲なの」

言えたわ!

ヨネちゃんちゃんが転校してきた時に言いたかったセリフのバージョンアップ版が言えたわよ!

「……いや、あの、そ、そうなの……えぇと、次、迷冷泥さんとの関係を訊きたいんだけど……いい?」

ツウナさんが、戸惑い気味に訊いてきたわ。

「ニナル?あれは、あたしの兄に片想い中のストーカー女よ!」

うっかり叫んじゃったわ。

「あ、あぁ、そうなの……」

ツウナさん達が、ひっそり離れて行ったわね?

あら、次元アフォーンに通信が?

あぁ、音声伝言機能ね。

えぇと、ここの次元アフォーンに、モバイル用のイヤァフォーン端子を接続して、反対をあたしの耳に。

たしか、このポッチを押すのよね。

【ヨネよ。ナノちゃん!あの屑男(くずおとこ)とナノちゃんのお友達?話が噛み合って無いのに意気投合したみたいで、3年呂組でミュージカルみたいな事をしだした!これ、池先輩にワタシ達放課後に何か言われる事確定だから、ナノちゃんは近づかない方が良いわ。お友達はこっちて出来るだけ保護しようって事にイヨちゃんと話し合ったて成ったから、心配しないで。五時間目までには、お友達は戻すわ。じゃまたね】

ヨネちゃん、律儀ね。

と、なると、あたしはカオちゃんの帰還を待って、帰りのカオちゃんをルイとイクヨちゃんに託すのね。

そして放課後に、ニナルと『講堂館』で密会ね。

でも、講堂館ってどこよ?

『講堂はこの学校に有りますか?』

すっぽんに訊かれたわね。

有るわよ。

校舎の並びに。

『そこではありませんかな?』

でも、体育館もあるのよ。

『えっ!?』

講堂館。

講堂プラス体育館な気がするわ。

『その体育館は何処(いづこ)に?』

すっぽんが訊いてきたわ。

校舎と講堂の間に有るのが体育館よ。

『並んで?』

そう、並んでるわ。

『無駄な気がいたしますが?』

老朽化してても取り壊す予算が無いらしいわよ講堂。

すっぽんの疑問に答えてあげたわ。

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