言訳よ
「あら、偽物にしては、良い仕事をしているし、ナノが着けてるから、高く見えるのよね。素材がどうでも」
節穴を2つ装備してるカオちゃん、らしい負け惜しみね。
でも、素材って、フェイク翡翠の事よね?
あたしの素材がどうとか、じゃあないわよね?
『それは、ナノちゃんの考えすぎかと、思われます。そこな御学友は、脊髄反射で会話をしておられるよう、お見受けできますれば、悪意しか存在しないニナルとは違うよう思われます』
すっぽんが、そう言うなら、そうかもね。
「ちゃんと、それがメイドインソマツだって、風紀の先生に言っておいた方が良いわよ」
カオちゃんが、要らない心配をしてくれてるわね。
で、メイドインソマツって、どこで造ってるのよ?
ソマツなんて国、世界地理で出て来ないわよ?
まぁ、良いわ。
「カオちゃん、心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。パパが、GPS付きバレッタですって、申請書を書いてくれたのを、先生にみせるから」
全て、すっぽんが考えてくれたの。
ドラウトやソリスなんかより、使えるわ。
どぶねずみ一族とは、できが違う気がするわ。
『政治的に優秀なラット系統の方々と、味覚的に優秀な我々とは、住む世界が違いますれば、致し方かた無いのです』
次元世界が崩壊の危機に瀕して、主導権争いをしてるような、どぶねずみやらいたちやらすかんくの、何処が政治的に優秀なのかしら?
『女帝陛下の御力を、利用できるだけ利用して生活し、女帝陛下の御力に翳りが見えましたら、即座に次期様に譲位させるなど、政治的に優秀な方々しか出来無いかと存じます』
どう聴いても、小狡いどぶねずみ一族としか思えないんだけど?
「そうなの、すごいわね」
ぼんやりカオちゃんが、答えたわ。
カオちゃんこうな時は、恋の予感よね。
ルイをみる。
頭を抱えてるわね。
イクヨちゃんをみる。
空を仰いでるわね。
カオちゃんの視線の先をみる。
何か、とっちゃん坊やみたいな、年齢不詳な感じの男性が、先生方と一緒に校門のところで挨拶運動。
あ?
教育実習生!?